第85話 ケンカ

「ケンカするな」

 小学生の弟が友達とケンカしているのを目にし、俺は止めた。

 遊びの帰りになったようで、うちの家の前でしていたのだ。

 俺が割って入ったことで、気まずそうに友達は帰っていった。残った弟に訊いた。

「何が原因なんだ?」

「あいつが、兄ちゃんをかばいやがったんだ。何も知らないくせに」

「え? 俺?」

「『うちの兄ちゃん、たまにすげー意地悪するから、ろくな死に方しない』って言ったんだ」

「ケンカするな」

 小学生と中学生の息子二人がケンカしているのを目にし、私は止めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る