第63話 満足

「警部」

「何だ?」

「見てください、大河原さんのあのたたずまい」

「わっ。顔といい、態度といい、えらく勝ち誇っているな」

「こう言っちゃなんですけど、たかが一日警察署長くらいで」

「そういや、あの人の親父さんが警察官だったから、感慨深いらしいぞ」

「へー……でも、それにしてもあのたたずまいはすご過ぎません?」

「しかし、そこまで喜んでもらえたんだから、一日警察署長にした甲斐があるだろう」

「そうですね……にしても、やっぱりあのたたずまいはひど過ぎません?」

「確かに、ちょっと引くな」

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