第50話 大物二人

 佐々木小次郎の前に、宮本武蔵が現れた。

「待たせたな、佐々木」

「な、なぜ私を名字だけで呼ぶ?」

「だって、お前、佐々木じゃん」

 佐々木はよくある名字で平凡で、小次郎は嫌であり、動揺した。武蔵はそれを狙ったのだ。

「俺は今後もずっとお前を佐々木と呼ぶであろう」

「汚いぞ、宮本!」

「な、なぜ私を名字だけで呼ぶ?」

「だって、お前、宮本じゃん」

 どっちもどっちだった。

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