第44話 セコンド

 キックボクシングの試合中。

「ローキック、効いてるぞ!」

「違う、違う! 今日タンスの角に足の小指をぶつけたから!」

 しばらくして。

「ローキック、やっぱり効いてるぞ!」

「違うって! 痛いのは小指だって!」

 試合後。

「びっくりしたな。『やっぱり』って言ったもんな」

「ええ。ちょっと信じたんですよ。言ってみるもんですね」

「でも負けちゃったけどな」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る