第40話 バンドの亀裂 その二

「バンドのボーカルで作詞作曲して、ソロでも作詞作曲してる人、いるじゃん?」

「うん」

「それって何が違うの? 曲を聴く側からすると一緒じゃん。ずっと一人でよくない?」

「まあね」

 まさにその状態に該当するバンドの、俺はギタリストだ。

「——って、言われてたぞ! お前!」

「そうか。実は、話があって……」

「え? まさか解散するって言う気じゃ……うそうそ、ソロやりたいだけやっていいよー」

「いや、お前のソロ用の曲を作ったからどうかって話なんだけど」

「ええ? マジで? 一生ついていきます、親びん! 私めを犬とお呼びくださいませ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る