清掃員
あるビルの廊下にある自販機で
俺は、コーヒーを買ってひと休み。
そこに清掃員が、廊下をモップで掃きながらやってきた。
うつむき加減の彼は、エレベーター横にある大きな鏡に向かっていく。
ぶつかると思って声をかけようとした途端、
彼はそのまま鏡の中に入り込んだ。
そして、こちらを見て
「え?」と口と目を大きく見開き、消えた。
カランという音がしてハッとする。
廊下には清掃員が先ほどまで持っていた
モップだけが残されていた。
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