満員電車で

いつものように満員電車でスマホをいじっていると、視界の下側に白い何かがちらついた。


見ると、それは女性の手だった。


蝋でできたみたいに真っ白い。

それが私の靴のすぐ横から生えていて、ひらひらと揺れていた。


手は私が見たことに気がついたように床に吸い込まれるようにして消えた。


私が見なかったらそれはずっとそこにいたのかと思うと気持ちが悪い。


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