義理と人情 〜 logosとpathos 〜
logos ・・・(古代ギリシア哲学で)ロゴス・理法/宇宙を支配し展開させる一定の調和・統一のある理性的法則(ランダムハウス英和大辞典)
pathos・・・(文学・音楽・演説などでの)哀れみ(同情)を催させる要・パトス・悲しみ・悲哀・ ペーソス/(特にギリシア芸術作品での永遠物、理想的なものに対して)刹那的・感情的要素・パトス/哀れみ・同情( 同上 )
ロゴス中心主義・・・デリダの用語。真理はロゴスによって把握できるとする西欧形而上学の核になる考え方。デリダは、それに基づく二項対立的な思考法の脱構築を説いた。(広辞苑)
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中高生時代の私は一種の「科学おたく」の少年で、シンプルで切れ味鋭い論理の世界に憧れて生きていました。昭和ひとけた世代の両親とは世間の出来事に対する見解が一致しないことも多く、「食後の会話」が2〜3時間に及ぶ「ディスカッション」になることも珍しくありませんでした。(姉と妹は呆れ顔で早々に退散していましたが)
当時から「口だけは達者」な子どもだったので、いつまで議論しても「論理的には」私の方が優勢だったのですが、彼らは「そうはいっても」と粘り強く、議論を打ち切ることもなく、どこまでも対話を続けてくれていたことが懐かしく思い出されます。
我が家の「会話」は、ほとんどが conversation や debate ではなく dialogue であり discussion であったような気がします。自分自身が当時の彼らの年齢になってみて初めて、「義理(物事の正しい筋道・道理(広辞苑))」も大切だが「人情(自然に備わる人間の愛情・いつくしみ・なさけ(同上))」はもっと大切だということを伝えようと努力してくれていたことに気がつきました。
2021.12.8
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