第23話 食堂に集う
「教室は学食に行ってみない?」
「学食ですか?」
「急にどうした?」
突然日和が学食に誘ってきた。
いつも自分で弁当を作ってくるクセに・・・って、まさか・・・
「弁当、作り忘れたのか?」
「あ、それは違くて」
ズゴーン!
違うのかよ!!
「ではどうしてですか?」
「実は弟たちをおばあちゃん家に預けていてお弁当を作る必要がなくてそのまま面倒くさくなっちゃって」
「そういうことですか・・・私は別に構いませんが」
「まぁ、俺も、弁当は食堂で食えばいいし」
***
その後、俺たち三人は食堂に向かったが
「どうしてお前らがいんだよ?」
「それはこっちもだぜ、鷲」
なんと食堂に着くとすでに拓海、実夢、蓮の三人がすでに食堂で昼飯を食べていた。
「ちょうどいいし鷲たちも一緒に食おうぜ!」
気前よく拓海が席を移動して実夢の隣に移る。
俺は二人に確認を取る。
「私は全然オッケーだよ☆」
「せっかくのお誘いなので」
というわけで俺たちは拓海の誘いを受けることにした。
先に俺と麗音が席に座り少し遅れて日和が昼飯を持って席に座った。
席順は俺、日和、麗音と並び、向かいに拓海、実夢、蓮と座っている。
「そういえば3人には紹介してなかったな」
俺は日和に目線を送りそれに気づいた日和は立ち上がる。
「東雲日和です!鷲君と同じくクラス委員長をやってます!拓海君には此間はお世話になりました」
「た、拓海君……鷲君……?」
おいおい実夢、そう日和を睨むなっつうの。
あとハイライトを消さないでくれ、怖い。
俺は息を大きく吐いて吸う。
その仕草に気づいた実夢も俺と同じく息を深く吸って吐く。
実夢はなんとか落ち着きを取り戻し笑顔で日和を見る。
「どうしたんだ鷲、そんなに過呼吸になって?」
「え?あ、いやそれよりなんだ二人とも先に知り会ってたのか?」
無理矢理話を戻す。
というかまあ、知ってるんだけどね。
ここで二人が会ってたことを知らないふりをしないと逆に怪しいからな。
だから一応全員日和のこと知ってるけど自己紹介をさせた。
「ああ、こないだプリントを取りに行くときに少しな」
「そっか。じゃあ次は日和に紹介する番だな」
日和が座り俺は拓海たちに紹介を始める。
「まず俺の目の前に座ってるのがお前がお世話になったって言うこいつが橋隆拓海。俺の幼馴染だ」
「改めてよろしくな日和!」
「うん、よろしくね拓海君!」
二人は握手を交わす。
「次に隣に座ってる超絶美少女が如月実夢。如月財閥のお嬢様だ」
「如月財閥ってあの…」
「たぶん日和さんが思っているのであってますよ。改めまして如月実夢といいます。よろしくお願いします日和さん」
「あ、は、はい!」
実夢が差し出した手を慌てて握りしめる日和。
さっきまで敵意が漏れ出してた癖に急に丁寧口調はほんとうに怖い。
「ご、ごめんなさい。私実夢さんほどきれいな人見たことなくて」
「あら、麗音もずいぶん綺麗だと思いますけど」
そう言われて日和は慌てて麗音の方に振り向て弁明する。
「いや、もちろん麗音さんももの凄くきれいだって思ってるよ!!」
「んふふ、そう焦らなくて大丈夫ですよ東雲さん。あなたの言う通りお嬢様は世界一美しいですから!!」
「れ、麗音さん・・・・・・?」
麗音の前半の清楚な口調から急なはっちゃけ口調の変化に日和は戸惑いを見せる。
「ああー気にすんな、そのうち慣れっから」
いつもの麗音と接っしてるとギャップがな・・・
「それとお嬢様って・・・・・・?」
「ああ、麗音はこの実夢お嬢様に仕えるメイドさんだ」
「改めまして、実夢お嬢様にお仕えする天ヶ咲麗音と申します」
麗音が綺麗か所作でお辞儀をする。
相変わらず切り替え速えーなー。
「すごい、本物のメイドさんみたい・・・」
「本物のメイドです」
「というか鷲君も麗音もお嬢様はやめてって言ってるでしょう」
「けど真実だからな〜?」
「メイドがお嬢様と呼ぶのはなんらおかしくありません」
「二人とも!」
「あははは!」
「お嬢様お可愛いです!」
「もお~~」
なんだかんだこういういじりはやめれないな。
だがこの調子じゃいつまで経っても終わりそうにないな。
「そんでその横にいる童顔美男子が東城蓮」
「ツッコミどころ満載ですが、東城蓮といいます。いつも鷲様がお世話になっています」
「ええーと、この感じ蓮君も?」
「まあ、そんな感じだ。といっても俺からしたら蓮は親友であり、弟みたいな存在だ仲良くしてやってくれ」
「そんなこといったら灯里様が悲しみますよ?」
「灯里って?」
「灯里っていうのは俺の妹だ」
最近は大人びて読者モデルをやってるとか言ってたな。
家では俺にべったりだからイメージ湧かねえけど。
「懐かしいね」
「そうですね」
「俺は会ったことねえけどな」
実夢と麗音は何度か会ったことがあるが拓海には会わせてない。
妹を男になるべく会わせたくない!!
例え拓海であろうとどこの馬の骨とも知らぬ餓鬼に妹は渡さんぞ!
「鷲様がなんか燃えてますけど?」
「気にしないでください」
絶対に渡さねえからなーーーー!!!
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