第9話 作戦開始!

今日はついに拓海君とのお出かけの日。

大丈夫かな〜〜!服も可愛いの選んでもらったし、水着も麗音にもお墨付きもらってるし、でも〜〜


駅の前に一人、白のワンピースを着た美少女がもじもじしていた。


「実夢!」

「ま、拓海君!?」


そんな彼女に話しかけて来たのは栗色の髪の男の子、拓海だ。


「おはよう実夢」

「お、おはようございます。拓海君」


二人は軽く挨拶を交わすと拓海は周りを見る。


「鷲は来てないのか?」

「シュウ君は少し遅れるそうなので先に行ってくれって、先程メールで」

「そうなのか?海まで1時間は掛かるぞ?」

「はい。すぐに合流すると」

「そうかならいいけど」


拓海君は少し違和感を感じながらも納得してくれた。

よし!台本通り。


実夢は昨日メールで鷲から台本となるメールを受け取りこう言ってくれと連絡がきた。

*なお、実夢は鷲が既に海にいること護衛の者達がいることは知らない。


私と拓海君は一緒に電車に乗って目的の海へと向かった。

電車に乗っている時は私と拓海君でいろんなお話しをしてとても楽しい時間でした♪

それとお話している途中に拓海君がスマホを取り出して何かを確認してました。


「実夢、どうやら鷲の奴急に来れなくなったらしい」

「そうなの?」

「ああ、どうやら家の急用らしい」


*なおこれも事前に鷲が仕組んだもの。


「それで二人で楽しんでこいって」

「じゃあシュウ君の分も楽しまなくちゃね」

「そうだな」


そして時間はあっという間に過ぎ目的の海へと到着しました。




***


「お、来たぞ」

「と言いましても僅かに距離を取ってますね」

「お嬢様ファイトです!」


作戦日当日俺たちは建物の物陰に隠れて実夢と拓海が来たのを確認した。

二人はそのまま海に備え付けてある着替え室に向かう。


「ああ、砂浜に立ち太陽に照らされるお嬢様。美しい・・・・・・」


蕩顔でそう言う麗音に俺と蓮はちょっと引く。


「鷲様、これは・・・」

「まぁ、いわゆるアイドル信者みたいなもんだ」


如月家の令嬢である実夢の専属メイドだから優秀ではあるはずなんだよなー。

まぁ、それでもギャップ萌え的にはありか?


そんなことを考えていると二人が着替えを終えて出てきた。


「「おおーー!!」」


俺と麗音が水着に着替えた実夢を見て声をあげる。

まだ未発達ながら綺麗なボディライン、そして彼女の肌と同じ白の水着は彼女の可愛らしさは引き立てる。

そこに海と共に煌めく銀髪。


「麗音、流石だ!」

「当然です!」


俺と麗音は固い握手をする。


「お、実夢!」

「あ、拓海君!」


拓海が実夢に声をかけ実夢は拓海を見るとそれはまるで天使の微笑みと言わんばかりの満面な笑みを浮かべる。


「「グハッ!!!」」


そのレールガン級のスマイル弾に俺と麗音は胸を抑えて倒れないように踏ん張る。


「お二人とも何をふざけているのですか?」


蓮は冷静に二人にそう言う。


「ふ、ふざけてなど・・・いない」

「そ、そうです。・・・逆になぜあれを受けて平然といれるのですか!」

「そうだ!周りを見てみろ!」


周りに俺や麗音と同じように倒れそうになりパートナーに支えられてる者が皇、如月関係なくいる。


「まぁ、確かに可愛いとは思いましたけど、私的には・・・・・・のほうが・・・・・・」


蓮が何か反論しようとしていたが最後の方が聞きづらかった。


「蓮、なにか反論があるのか?」

「いえ、なんでもありません。それよりお二人が移動しますよ」


拓海と実夢はさっそく海へと走っていく。

と、いっても海に興奮する拓海を実夢が追いかける形だが。


「あの鈍チン、お嬢様に褒め言葉の一つぐらい言わんかい!!」


麗音がハンカチを噛みながら言う。

俺はそんな麗音を横目に思う。


確か普通の男なら今の実夢を見ただけで即堕ち確定演出なのに拓海の野郎はなぜああも平然としてるんだ?

まさか、これも主人公補正かなんかか?




***


拓海君が楽しそうに海に飛び込む。


「ぷはっ!実夢ーー!お前も早く来いよ」

「う、うん」


しかし実夢は海に入る直前脚を止めてしまう。


ど、どうしよう。私泳げない。


実夢は肝心なことを忘れていたのだ。

そう、実夢は一度も泳いだことがない。

海どころかプールにすら行ったことが無かったのだ。


「実夢、どうしたんだ?」


拓海は海から上がり実夢に言う。

実夢は気まずいそうに答える。


「わ、私、泳げないの・・・・・・」


実夢は恥ずかしそうに顔を手で隠す。

しかし拓海は気楽でそんなことかと言う顔で言う。


「なんだ、なら俺が教えてやるよ!」


拓海は自信満々に言い切る。


「い、いいの?」

「おう!」

「ありがとう♪」


こうして拓海は海で実夢に泳ぎを教えることになった。





*美少女の満面の笑みは人を殺す最強兵器である!

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