第3片

 デイドリームは、ウェザーヒーローズ本部の内装の豪華さに驚いた。デイドリームが田舎で育ったから余計に驚きが増したのかもしれない。


 中央に大きな階段が連なり、その上には大きな窓。その大きな窓から見える景色は、きれいな噴水。10本ほどある柱は、全て虹色に染まっておしゃれで……とにかくスケールがサイレントタウンとは桁違いだ。デイドリームは、言葉では言い表せないほどの感激を覚えた。



 階段を上がると、ウェザーズ本部の庭の噴水が鮮明に見えた。噴水は太陽に照らされ虹色に見えた。デイドリームは幸運を引き寄せたように思えた。周囲の人々も見えているはずだが。


 受験会場は「会議室03」だ。張り紙を見ると、会議室03は右に少し行った所にあるらしい。デイドリームは会議室03へ向かっていった。



 会議室03に着いた。ドアは自動なのだが、なかなか開かない。おかしいなと思いドアに触れようとした時、若い女性に声をかけられた。

「審査の担当の方、まだ来てないので開かないですよ!」


 声の大きい、元気な女性だった。容姿も良い方だと思う。好みのタイプだ。この女性は人生、得して来ただろうと思った。すると、女性が思いがけない声を発した。

「あれっ?デイくんじゃん!久しぶり」


 デイドリームは、本当に誰かわからなかった。初対面のはずなのに。


 女性は、僕の困惑した表情を見て、こう言った

「ひどいよ、デイくん。夢香だよ、古雲夢香こぐもゆめか


 (好みのタイプだった)という事を撤回する間も無く、デイドリームは我に返るように忘れていた昔の記憶を鮮明に思い出し、心の奥底に沈んでいった……

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