『獣の奏者』(講談社文庫)上橋 菜穂子【★★★】
<1闘蛇編>
やばい。はまった。
児童書なので文章は簡素だし、話のストーリーも解りやすく読めやすい。
が、その王道こそがいい。
特に獣医に纏わる小説ファンタジーなんぞこれまであっただろうか。
うまく生き物の本来の在り方、人との関わり方などをテーマにした素晴らしい作品。続きが気になるので、明日買ってこよう。
<2王獣編>
最後まで一気に読み進め、作者の後書きに納得。
私もこの終わり方が一番良いと思う。
人と獣の在り方、そして人の性とその中でどう生きていくのか……読みやすい文章だけに胸にすっと入って残った。
そして、エリンの最後の答えに私はとても共感しました。
ただ、厳しい事を言えば、エリンの周りの人達や空気が優しすぎて(つまりご都合主義な気がした)、少々グロテスクな表現でそれを誤魔化しているようにも感じられた。話して解決する場面ばかりだったからか……ちょっと甘さを感じなくもなかった。それでも、優しい物語に違いはない。
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