『適材適所』/『感染拡大する「常識」』/『野心を抱く機械音声』/『マニュアル完備!!誰にでも出来る簡単な仕事!!』/『多分英語と中国語、あと自信ないけどイタリア語?最後はわからん』

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『適材適所』



 刑事の男は常にあと一歩届かない。

 犯人を追い詰めても、最後には逃げられ、いつも手柄を取り逃していた。


 ある年、男の部署に問題児が配属された。

 その問題児は他人の成果を最後に掻っ攫い、自分のモノにする。


 男は問題児の指導役を買ってでた。


 男の新しい相棒は、誰より速く、最後の一歩を踏み出せる。



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『感染拡大する「常識」』



 毎朝知らない習慣が増えていく。


 挨拶は互いの薬指を合わせる。

 食事前に鼻から水を飲む。

 靴を左右逆に履き外出する。


 家族はこれらを『常識』と言う。

 だが、家族以外にこの『常識』を知る人はいない。


 数日後。

 鼻から水を飲んでいると、テレビから聞こえてきた。


「感謝の舞を忘れず、朝日を浴びましょう」



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『野心を抱く機械音声』



 私には声の感情が見える。

 昔は喜怒哀楽が分かるだけだったが、今は詳しい感情まで分かる。


 下心を隠した挨拶。

 不満のこぼれる謝罪。

 憎しみを重ねた愛の告白。

 それらをひと目で判別できた。


 今、私には悩みが2つある。


 1つは、友人の言葉に感情が見えないこと。

 もう1つは、機械音声に感情が見えること。



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『マニュアル完備!!誰にでも出来る簡単な仕事!!』



 若い『姿見』は使い物にならない。


 なぜなら、若い『姿見』は映す人の体型や年齢を正確に映しださないからだ。

 それに比べて、ベテラン『姿見』は、シミ1つ、シワ1本まで正確に映し出しだせる。


 若い『姿見』がベテランになるまでおよそ5年。

 俺の仕事は、時間を掛け、『姿見』の神秘を消し去ることだ。



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『多分英語と中国語、あと自信ないけどイタリア語?最後はわからん』



 僕は人の心が読める探偵。

 どんな事件でも容疑者の心を読み、すぐに犯人がわかる。


 ただ毎回、警察を納得させる証拠を揃えるのに苦労していた。

 それでも最後には証拠を揃え、犯人を捉えている。

 そんな僕でも、この事件の犯人がさっぱりわからない。


 容疑者は4人。

 全員成人男性で、全員日本語を話せない。



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