1話30秒で読める140字小説集
『適材適所』/『感染拡大する「常識」』/『野心を抱く機械音声』/『マニュアル完備!!誰にでも出来る簡単な仕事!!』/『多分英語と中国語、あと自信ないけどイタリア語?最後はわからん』
『適材適所』/『感染拡大する「常識」』/『野心を抱く機械音声』/『マニュアル完備!!誰にでも出来る簡単な仕事!!』/『多分英語と中国語、あと自信ないけどイタリア語?最後はわからん』
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『適材適所』
刑事の男は常にあと一歩届かない。
犯人を追い詰めても、最後には逃げられ、いつも手柄を取り逃していた。
ある年、男の部署に問題児が配属された。
その問題児は他人の成果を最後に掻っ攫い、自分のモノにする。
男は問題児の指導役を買ってでた。
男の新しい相棒は、誰より速く、最後の一歩を踏み出せる。
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『感染拡大する「常識」』
毎朝知らない習慣が増えていく。
挨拶は互いの薬指を合わせる。
食事前に鼻から水を飲む。
靴を左右逆に履き外出する。
家族はこれらを『常識』と言う。
だが、家族以外にこの『常識』を知る人はいない。
数日後。
鼻から水を飲んでいると、テレビから聞こえてきた。
「感謝の舞を忘れず、朝日を浴びましょう」
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『野心を抱く機械音声』
私には声の感情が見える。
昔は喜怒哀楽が分かるだけだったが、今は詳しい感情まで分かる。
下心を隠した挨拶。
不満のこぼれる謝罪。
憎しみを重ねた愛の告白。
それらをひと目で判別できた。
今、私には悩みが2つある。
1つは、友人の言葉に感情が見えないこと。
もう1つは、機械音声に感情が見えること。
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『マニュアル完備!!誰にでも出来る簡単な仕事!!』
若い『姿見』は使い物にならない。
なぜなら、若い『姿見』は映す人の体型や年齢を正確に映しださないからだ。
それに比べて、ベテラン『姿見』は、シミ1つ、シワ1本まで正確に映し出しだせる。
若い『姿見』がベテランになるまでおよそ5年。
俺の仕事は、時間を掛け、『姿見』の神秘を消し去ることだ。
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『多分英語と中国語、あと自信ないけどイタリア語?最後はわからん』
僕は人の心が読める探偵。
どんな事件でも容疑者の心を読み、すぐに犯人がわかる。
ただ毎回、警察を納得させる証拠を揃えるのに苦労していた。
それでも最後には証拠を揃え、犯人を捉えている。
そんな僕でも、この事件の犯人がさっぱりわからない。
容疑者は4人。
全員成人男性で、全員日本語を話せない。
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