俳句・短歌・詩

犀川 よう

俳句 お題「星」

闇に咲く君を照らせり春の星


やみにさく きみをてらせり はるのほし


 午前五時すぎ。夜勤明けの帰り道。営業を終えたバーから出る君にたまたま出会った。周囲の店はもう看板の灯を落としていて、薄暗い街灯と星の光がすべてだった。その下で気だるそうに歩く君。僕はその光景を見て、この世界は君だけのために作られたのだと知った。もうすぐ夜明けという空にはぼんやりとした春の星。君を照らすために生まれてきた春の星。

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