第13話 タラゴン


 あの子はシュッとして

 いつも甘い香りで

 隙がないような気がして

 僕には近づけそうになくて

「ねぇ、落としたよ」

 親切を受け取れなくて

 ただドキドキと胸を鳴らして

 幻の苦みを感じる



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