150 ︎︎夏の空気

 しょわしょわという蝉の鳴き声が響いている。サンダルで歩くと小石が足の親指に刺さって痛い。捨て損なったアイスキャンデーの袋と棒を持って畦道を歩いていくと、蝉が歌うように鳴き始めた。空が紫色になっていく。帰らなきゃ、でもどこに? ︎︎帰り道がわからない。私はアスファルトに座り込んだ。

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