68 気球
灰色の気球を青い空へ放り投げた。気球はふわふわと過去へ流れていき、川に落ちて流された。川原に落ちていたところを拾い上げられた気球は暗闇で長いこと眠りにつき、先程押し入れから取り出された気球は元気よく膨らんで、以前より少し黒く煤けたところで再び過去へと飛んで行った。
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