第113話トキメクスーパーアイドル
食事でこんなハマるとは思わなかった。
そう思っているのは今をトキメクスーパーアイドル
神導奏多だ。
こんなスーパースターでも普通に並んでも騒がれない店それが太郎だ。
通常の店で顔バレしたら囲まれて脱出騒ぎになり外食もできない状態だが
太郎は違う。
SP張りの順番待ち客が威嚇して遠ざけるため、太郎に並んでいるときは心穏やかに順番待ちができるのだ。
一般人に戻ったような感覚が味わえさらに美味しい太郎にありつけるそんな店が一ヶ月ほど激変する。
うどん屋との対決らしいが、うどん屋の方は並べないだろうと諦めていた奏多であったがそうでもなかった。
いつもの客がうどん屋の方にも並んでいた。
みんな行儀がいいというか鋼のルールに従って超速回転率と思いやりの心で楽しんでいた。
太郎だけは回転率がいいのは鋼の掟があるからだろうと思う。
誰が最初に初めて誰が決めたのかわからない、もちろん店側は強制していない。
ファンが決めてファンが守っているそんな掟だ。
検索すればすぐ出てくるほどで結構な人が何故かしっている。
そんな掟にまもられながら、奏多はうどん屋でうどんを食べることが・・・。
うどん屋のスタッフが悲鳴をあげた、そう、奏多のファンだったのだ。
興奮気味に詰め寄るスタッフに周りの客が何故か対応する珍事件が発生した。
そのおかげで奏多はゆっくりとした食事時間をすごすことができ、対応してくれた周囲の人にお礼のサインと記念撮影を渡したらみんな喜んでいた。
うどん屋の方の平麺はとてもなめらかの触感に半熟卵の天ぷらが最高に美味しい。
抹茶塩をかけて食べたり、味噌つゆにディップしたりといろいろな楽しみ方がある。
揚げた鶏肉の天ぷらがうまくて、大きな舞茸の天ぷらの風味が味わえたがなんというか量がものたりなかった。
味はとても美味しいと思うし拘り抜かれていた。天ぷらを出すことでボリューム感をだしてるのもわかるが物足りないという感想をいだいてしまっていた。
いつもの太郎の店の平麺は麺マシだ、どでかい器に盛りつけられる麺。
圧倒的麺圧に心が震える。
こんな量食べられるのかと。
こちらの麺もうまい。
具材もシンプルな感じなのだが、暴力的な麺量がシンプルな見た目を破壊しにかかる。
甘味が強めな味噌つゆなのでスルスルと麺が口の中へとおさまっていく。
これはずるいとしか言いようがない。
つゆのなかに隠れていた角切りチャーシューは濃厚。
口の中でほろほろにほどける。
あんなに麺があったのにもうなくなっていた。
気が付けば山盛りになっていたはずの麺が消えている。
次はもう一段サイズをアップしようと心の中でおもった。
非日常感を太郎で味わったアイドルはまた現実へと戻っていく。
まるで異空間に迷い込んだように気兼ねなく一人飯ができる。
高級店ではない大衆店で。
サイン対応など心配する必要もない。
ただただ目の前の食事に向き合える。
味わって食べられるのが幸福なんて思ってもみなかった。
だからこの店に通うのがやめられない。
だが、一つだけ問題があった。
どの店に投票するかという難問だ。
一日一人1回投票できる。
投票用紙にはマイナンバーを記入しなければならない。
不正防止のためである。
一日1票という大切な選択だ。
両店のレシートを投票用紙に張り付けて悩む。
別に両方の店に行かなくても投票できる
後はどちらの店にするかだ。
圧倒的に味のクオリティーが高いのがうどん屋だった。
天ぷらが美味しいのと節が効いた味噌つゆがよかった。
太郎店の方は、美味しくないとかではないどちらも本当に僅差だ。
本当に僅差なので悩ましい。
うどん屋で新商品を出した場合の想像と太郎で出した場合どちらが美味しく食べられそうかそれを考えると圧倒的に太郎なのだ。
麺マシ対応してくれそうという点が最大のポイントだ。
そして奏多は太郎へ一票を捧げた。
どちらが勝ってもいいと思えるそんな勝負が展開されていて最高な盛り上がりをみせるのだった。
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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません
書く時間が取れないけど何とか更新するのです。
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