第106話同伴相手

午後からは職人のターンだった・・・。

え?ぼくいらなくね?

彼女たちがコネコネしているのを僕は黙ってみていだけ、そう暇である。

出来上がった麺をまたみんなで試食するわけだが、うん、不味い。

笑えないほど美味しくない出来に僕は苦笑するしかない。

普通の麺としては十分に合格ラインは超えている。

店に出しても文句ない味ではあるのだが・・・。

一般的な食べる気が失せる不味さではない。

一般的うまいのその先にたどりつけないような味ということだ。

うまいとすごくうまいの差のような。

美味いけど通うほどじゃないながすごくうまい毎日でも通いたいという差


うどん娘ズのうどんはまあ、なんというか。食感がよくないな。

中川店長は惜しい所までいているがもうちょっと。

時間的に間に合いそうな中川店長に対してうどん娘は壊滅状態だ。

こりゃしょうぶにならないな・・・・

しかたない圧倒的な戦力の敵と戦っても面白くないだろうエンタメ的にということで僕はとあるメモをうどん娘に渡したのだ。

中川店長は自分にもメモを渡されるのかと期待していたようだがそんなことはなかった。

「栗田社長!そのメモに何がかかれているのか見せなさい!」

と迫る中川店長にべーっと舌を出して挑発気味に拒否するうどん娘。

バチバチと火花をちらせるなか、あー帰宅したいと思う僕だった。


結局帰宅できたのは暗くなってからで、仁王立ちの妹にこってり絞られた。

あまりにもぐーたら生活していた僕のお目付け役にしっかりした妹を派遣したという経緯があるみたいなので妹の権限は強い。


この妹は2次元道をひたすら突き進む者だからリアルに興味がないので安全だと親にも悲しい生体を知られている可哀そうな妹である。


まだいると思われる謎の兄妹の中で一番安全で真面目な妹に興奮している危険な僕という酷い構図が完成してしまっているわけだが、手は出してないからセーフ。

妹に説教され痺れた足をいたわりつつ、SNSを眺める。

タロラー応援勢の勢いがすごい。


インフルエンサーが数字稼ぎに煽り始めているのがそもそもの原因だ。

金に目がくらみタガが外れるのはインフルエンサーあるあるだ。

こんな、楽してバズれる企画だもの稼げるだけ稼いでおきたいと思うものだ。

釣竿をたらせば魚がつれるのだから、沢山釣りたい。

そんなわけでスナグラやmytv上では華鶴うどんをコケにする煽り動画が量産されていた。

一部華鶴うどんの歴史系などを上げているものもいるが再生数は振るわない。

とはいえ、華鶴うどんはうどん店で言えば売り上げ一番を誇りラーメンに勢いをおされているが

昔はすごかったんだぞという話なんて言われたところで今の落ちぶれ具合をみたら何も言えなくなる。


ということでウェブラジオでも太郎や華鶴うどん系の話題に触れなければならない。

アニメとは関係ない話を長々と話すわけにもいかないので横道に逸れない程度で話題に出さないといけない。

そう、まだまだ自主反省期間は続いているもようであった。


八城燈火と武林未央那のメインパーソナリティーのアニメラジオはゲストを迎えての話題となった。

「みなさんは、うどんとらーめんどちらが好きですか?」

「突然何をいいだしてるんだい武林ちゃん!?」話題の出し方が雑すぎて驚きを隠しきれない八城くんである。

「ほら、いまSNSでも話題になってるじゃないですか?なのでこの話もいいかなぁって。」

「ああ、そういえばよく見かけるよね、うどんとラーメンの対決だっけ?」とゲスト声優も話に乗る。

「そうみたいです、新メニュー対決みたいでお店で投票できるみたいですよ!どうですか?私と」

なんて口走るものだから、まあ案の定トレンドに乗るわけだ武林調子に乗るなという文言が・・・。

「僕は行く相手がきまっているからね、武林ちゃんも他の相手といくといいよ。」


なんて八城君がいえば、一緒に食事に行く相手は誰かとすごい食い気味で詰問しそうな武林ちゃんをゲストが話をそらしてなんとかアニメの話へ復帰させるのである。


八城キュン!?誰と食事へ!!とざわついてしまうがまあ、八城君的にはいつものメンバーと一緒に食べに行くことは確定している。

ラーメン屋は予約できるがうどん屋は並ばなければならないかななんて思いながら許嫁を見ると鬼の形相だった・・・。

ラジオ後は地獄かな?と八城くんもとい加藤君は覚悟を決めるのであった・・・。

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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません

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