第96話体育祭
ついに悪夢の体育祭がはじまってしまった。
校舎には業務用のトラックがとまっているがこれは何事だろうね・・・と白い目で見ながら僕は教室へと向かった。
HRが終わると女子は校庭に向かい僕は・・・・。
重い足取りで家庭科室へむかうしかなかった。
家庭科室の戸をあければ中川店長がいるし、どうなってんだよ!店は!!店はいいのですか!!
家庭科室になさそうな製麺機などの器具に寸胴鍋で既に煮込まれているガラ。
保健室組は何やら材料を手に取ってどこの産地の物かをみているようだった。
真っ先に気が付いたのは野口君だ
「佐々木君まってたよ!!今日は新作楽しみにしているよ」
そんな話一度もしてないだろ!と突っ込んだほうがいいのだろうか、いや、まあ、なんか返事したほうがいいのはいいんだけど。
「新作?何それ、野口君がつくってくれるの??」
ってとぼけてみると
一気に暗い雰囲気につつまれるのだから困ったものである。
一瞬でこの重たい空気に包まれた空間。
「野口君どういうことだよ!」と鈴木君はいつも通り爆発していた。
よし、メンドクサイことは、野口君に押し付けて僕は自由な発想で麺料理を作ってやる!!!
と意気込みながら材料を見回したがうーんこれじゃバリエーションがなーなんて悩んでいると中川店長が近づいてきた。
「何か足りないものがあるんですか?」
「あっ、味噌がたりないかなぁっておもったんですけど」
何て言ったら即電話して数分後に色んな種類の味噌を従業員が運んできた。
どこの従業員っていや、店は?店はどうなってるの??
僕の心配をよそに中川店長は「次何しましょうか?」なんて嬉しそうに言っているのだからこまってしまう。
僕は中川店長に色んな味噌を合わせた味噌を作ってもらうことを頼んだ。
ちょっとずつ色んな組み合わせで混ぜた味噌が次々とできていく。それを野口君たちは味見していく作業をしている。
僕の美味しいと違うかもしれないからね。
ということでもうちょこっと材料を頼み僕は麺を一生懸命作ることにした。
麺がなんとか打ち終わったころには、味噌が決まっているだろうと思っていたら全然意見が割れてまったくきまっていなかった。
彼らは一体何をやっているのだろうか・・・。
立った一つの味噌を決めるのになぜかそれぞれのベスト3
を上げてプレゼン紛いのことをしているのだがそれっているの??
ということで僕は保健室組が一生懸命お話している間に味見をして僕の好み味噌をチョイスした。
二つの合わせみそ、ニンニク、ショウガ、甜面醤、豆板醤を加え例の白い粉、白醤油を入れ混ぜ合わせる。
ちゃんと混ざったところで味見をすると甘味が足りないので三温糖を入れながら調節して、白醤油で粘度を調節すればスープが完成する。
自分で打った麺がゆであがったころには、お昼になっていた。
ちょうどお昼のタイミングで家庭科室からいい匂いがするのだから
そりゃ家庭科室の廊下にはびっしりと女子が・・・。
「ひぃぃ」と鈴木君が声を上げるくらいの光景が広がっていた。
結局彼らが選んだ究極の味噌もスープ化して出来上がったのはいいがどうすんだよこの状況・・・・。
廊下に並んでいる全員分なんて用意できないしかといって、自分たちだけで食べるのも気が引けるというかなんというか。
この状況何とかならないものかと僕は外をみて現実を忘れたいとおもったのだった・・・。
***************************************************
感想や応援、評価の★3レビュー等ご協力お願いします!
この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
しばらく放置しての再開ですが、読者の皆さまのおかげてそろそろ100話となります。
そこで100話になれば何か企画的なことをしようかと・・・。
100話掲載~101話投稿の期間を締め切りに何か募集します。
ということで100話のあとがきに何か書きますのでよろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます