第83話初バズ
私は決めた。
スマホを握りしめて決意したのだ。
八城キュンのおすすめ履修しなきゃ!と・・。
クラスのお友達は残念ながらオタ友ではない。
なので私が履修するといってもへぇーやふーんで終わってしまう悲しき仲だ
しかしSNSには多くの同士がいる!私はやる!履修するぞ!と
気合を入れたとたん目に飛び込むのは武林ちゃんのポストである。
秒で履修♡これで八城きゅんと一心同体♡
相変わらずの破壊力と行動力である。
コメント欄はいつにもまして荒れている。
間違いなく底に並ぶのは八城燈火セットだ。
温玉二つに銀シャリとレンジ麺太郎を背景にした自撮り写真が上がっている。
芸能人は結構大変だ。実際に飲んでいる証拠を出さないとすぐに拾い画像だと批判されるが
彼女の場合ないと言えるくらいガチお前ら仕様であった。
履修したいが手持ちが不安なのだが私には作戦がある。
今日は休日だ、そしてお兄ちゃんが暇しているとくればお昼を食べるのだ。
そうそのお昼の時間にレンジ麺太郎を提案するという素晴らしい作戦だ。
これは失敗しないと踏んで実行する成功が確約されたといっても過言ではない。
勝ち確だと思い私はお兄ちゃんにお昼のおねだりをしたとたんそう、これは負けるはずがない
そう思われていたが実際は違った。
既に昼食を用意しているといわれてしまった。
ここからじゃあがけないのである。詰んだ・・・。詰んでしまった。
私は絶望感でどうやって履修しようかとうじうじ悩みそうになっていると
台所からニンニクのすごい香りがしてきた。
うっすごいニンニク臭こんなのたべたらお外出られなくなってしまうと
外出る気もないが一応気にしてみることにした。
お兄ちゃんには私の行動はお見通しらしく私が外出しないのを即指摘したのだから
なんというか、私というオタクがいかにお部屋族かを兄にまで知られてしまっている。
今までニンニク臭かったものの正体がわかると電子レンジが調理を終えた音を奏で
私は今日の昼食は何かと身構えたが何故か大量のお野菜がでてきた。
あれ?ニンニク臭の元ってお野菜?って一瞬勘違いをしそうになった。
次の瞬間だ私の目の前にはレンジ麺太郎が運ばれてきた。
私は歓喜した。かった!何も言ってないのに勝ってしまった!!
お兄ちゃんが準備しているお野菜をおねだりして早速小山を攻略することにした。
物凄いボリュウムであるには間違いない。
まずは写真を撮りまして―――。
ふぅー。と撮影を終えたので野菜を切り崩しにかかる。
野菜を減らすことに成功したら温玉を一つだけ割り入れる。
二つ入れようとしたところお兄ちゃんがストップをかけてきたからだ。
お兄ちゃんの指示にしたが私は黙々と食べたが量が多すぎる。
頑張って食べたのはいいけれど、残り汁に銀シャリを投入し
そこから残りの温玉を投入するという第二ステージが始まった。
厳しい戦いだった。
死闘からの死闘を繰り返しようやく私が完食し力尽きていた私を見ながらお兄ちゃんはパリパリ君をムシャムシャしていた。
汗を拭きながら冷たい水を飲み干して私はソファーに寝っ転がる。
もう何もできないやである。
食べてすぐ寝るとウシになってしまうらしいが牛になってもかまわない。
私は夢の中へと落ちていった・・・。
気が付けばもう夕暮れだった・・・。
はっ!私は何を!となったがまあガッツリ昼寝をしてしまったようだ。
SNSで履修報告を済ませるとあの武林ちゃんにいいねされてしまった。
私のレンジ麺太郎だけ他の人よりも特殊仕様だったからだ。
そういえば他の人はチャーシューだけみたいだがゴロゴロ角煮が入っていたり、極太メンマま入っていたりと
通常レンジ麺太郎ではない魔改造太郎だということに私はようやく気が付くのだった。
私のコメント欄には、そのレンジ麺太郎はどこでうってるんですか!!というコメントなどが来ておりバズている状態だがお兄ちゃんが用意したものなんだから知らないよ!助けてお兄ちゃんである。
こんなのでバズってしまうなんて・・・。初バズはもっと違うものがよかったと
喜んでいいのやら悲しんでいいのなら複雑な私であった・・。
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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
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