第169話 決勝の電子音が鳴る

けたたましい音が鳴り響く。


これは試合開始を告げる安っぽい電子音だ。


そしてこの音を聞いたサーバーはサーブの動きに入る。


サーブ権は相手。


相手のジャンプサーブがコート内に入ってくる。


しかし俺の正面だったのでレシーブし、レシーブで少し浮いた体を反動として勢いをつけ、助走に入る。


そして地面を蹴り、上空へと飛び上がる。


しかし俺は


甲斐がトスを出したのは前衛にいた御手洗。クイックを相手コートに叩きつけた。


この調子のままいけると思われたがしかし。相手も決勝まで生き残ってきた相手だ。そう簡単にうまく行くわけがない。


駄菓子菓子、私たちだって伊達に決勝まで生き残ってきたわけじゃない。


練習に練習を重ね、自分たちの改善点を適時改善して戦ってきたチーム。それが黒鷺なのだ。


ゲームは終盤に入り、現在得点は23-22。


そしてサーバーは俺だ。


相手レシーバーの体勢を見ると、コート奥に集まってる印象がある。


そしてサーブを打つ準備を終え、ボールを上げる。


そして回転のかかったボールを綺麗に叩き、相手レシーバーの腕を弾いた玉はそのまま観客席まで流れていった。


球速はなんと119km/h。プロ並みのスピードだ。


次のサーブは甘く入り、相手にレシーブされたが現在の前衛は北野・御手洗・甲斐だ。結構身長が高いローテ。


そして相手スパイカーの攻撃を見事にブロックし、第1セットは25-22で獲得した。

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