第163話 成長

黒鷺がサーブ権を獲得している。


サーバーは北野。早速ハサミギロチンチャレンジだ。


そして黒鷺は運が良かったようだ。


綺麗にノータッチサービスエースを決めてみせた。


これがずっとできるなら、彼はスタメンだったんだろうなと思う。ムラがありすぎる。


そして案の定次のサーブはネットにかかってアウト。まあ仕方ないね。


次のサーブは相手。


高速で放たれたサーブは、八尾が捌くも多少の乱れが見える。


甲斐がトスを放ったのは夕凪。


夕凪はコートに叩きつけるかの如くスパイクを放つも、相手リベロがギリギリ追いつきレシーブ。


そして相手セッターからエースの松木にパスが渡る。


放たれたスパイクは俺がレシーブ...かに思えた。


俺の腕を弾いて後ろに飛んで行った。


松木...やっぱ成長してるな。


ここまできたら余力残すなんて考えなくていい。


俺は俺の全力を尽くす。


相手サーブを捌き、すぐに助走に入る。


そして甲斐のトスを受けた俺は、球の中心をぶっ叩き、相手コートに炸裂させる。


相手が弾くなら、こっちは弾かせないだけだ。

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