第95話 バレー部、IH予選開始。③

サーブで流れを強引にこっちに引き戻した。


しかも俺はこのあともう1発サービスエースをぶち込み、相手の勢いを削ぐ。


次のサーブは受けられたが結構球が伸びてきている。


桂が叩き落として、3連続得点。


次のサーブは力み過ぎてオーバーしてしまったが、流れはこっちに戻ってきている。


甲斐のツーアタックとWエースが2点づつ奪い、一気に14-19から22-20にまで持ち直した。


3連続特典と5連続得点。これによって大逆転。


そして...


セットカウント2-0。


25-22でこのセットも奪い取り、新生黒鷺は初戦を危なげなく突破した。


俺は今試合で合計16得点(サーブ3点、スパイク13点)を挙げ、エースとしての実力を発揮した。


ちなみにこの試合、得点王に輝いたのはWエースの夕凪。18得点を挙げた。


今日は午後に3回戦がある。早めに疲労を落として次の相手になるチームが決まる試合を見学する。


そこには圧倒的な数字が並んでいた。


対戦は黒鷺同様東京の名門校である白鳳高校と最近メキメキと結果をあげている高尾産業高校。


第2セット途中だが、1セット目は高尾が取っていて、2セット目も白鳳14-高尾産業20という圧倒的な数字が並んでいた。


だが、白鳳は追い詰められた時が1番強い。


そこから脅威の粘りを見せるも、23-25でストレート負け。


白鳳がなんと初戦で消える事態となってしまい、俺も驚いた。


それくらい強い敵が現れると、俺だって高揚してくる。


さあ高尾産業、全力で勝負だ。


勝つのは、俺達だ。

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