第三章 バレー部都大会編

第26話 バレー部都大会①

文化祭が終わった次の週末。


僕たち黒鷺高校男子バレー部は東京体育館サブアリーナの床を踏んでいた。


「緊張するなぁ。でも頑張らないと。」


この大会が先輩たちの最後の大会だ。なんとしても春高まで進まないと。


『お願いしまーす!』


試合開始だ。黒鷺男子バレー部はシード権をもらっているため2回戦からの参加。


まず2回戦の相手となるかもしれないチームの観察に行く。


白鳳と橙里の戦いみたいだ。


現時点で白鳳がリードしている。


それもそのはず、白鳳は今年のIHで全国3位になるほどの強豪なのだ。


ちなみに黒鷺はIHベスト8だった。


第1セットが終わった。


が、そこにはなんと橙里25-白鳳19という結果が示されていたのである。


第2セットは白鳳が巻き返し、橙里18-白鳳25で第3セットへ。


第3セットはドゥースまで持ち込んだ末、橙里31-白鳳33で白鳳が相手に決まったのだ。



『絶対に勝つぞ!黒鷺!fight on!!!」


2回戦開始だ。


僕は前衛レフトからのスタートだ。


セッターの渡先輩が上げたボールをレシーバーがいないクロスコースに打つ。


まずは先制だ。


そしてそれがきっかけとなった僕たちは、3年生のチーム副エース、牧原先輩と僕で17点を奪い、第1セットを黒鷺25-白鳳17で取ったのだった。


この黒鷺はハイスペックなオールラウンダーである僕と牧原先輩、超緻密なボールコントロール力を持つセッターの渡先輩、守備がうまく、バックアタックの天才であるキャプテンの松尾先輩、味方からすれば心強いブロックを持つミドルブロッカーの宇賀神と御手洗、天才的なレシーブ技術を持ち、オーバーパスも容易にできるリベロの

八尾がレギュラーメンバーで、ベンチ陣も充実している。


第2セットが始まる。


このセットを落とせない白鵬は宇賀神や御手洗を徹底的にサーブで狙っている。


この二人はレシーブがあまり得意ではないのでボール乱れが多いが、僕たちウィングスパイカー3人が攻めを続けているおかげで喰らい付いている。


しかしサーブ圧には耐えれず、2セット目を21-25で落とす。


3セット目はここで守備型のミドルブロッカーにチェンジして勝負する。


交代してきた瀧先輩は攻撃も早く、最高の囮としてブロックを惑わし続けている。


そしてついに勝負は終わる。


25-20で、黒鷺高校が勝ったのだった。

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