第35話 ラジオで繋がる心

美織学と椎が再びるんに呼ばれたのは、彼女のラジオ番組にゲストとして出演するためだった。最初にその提案を受けた時、二人は戸惑いを隠せなかった。公の場で話すことに慣れていない彼らにとって、ラジオ番組への出演は大きな挑戦だった。


しかし、るんとの深い信頼関係が、二人を後押しした。るんは、学と椎の活動や、彼らが抱く情熱について多くの人に知ってもらいたいと考えていた。彼女は二人の友情や、一緒に乗り越えてきた困難、そして彼らが地域社会に与えた影響について、リスナーに伝えたかったのだ。


放送日、三人はスタジオに集まり、放送が始まる前に最終的な打ち合わせを行った。るんは、学と椎に対して、自分の話したいことを自然体で話すよう励ました。彼女の温かい励ましによって、二人の緊張は少しずつ和らいでいった。


放送が始まり、るんはまず、学と椎をリスナーに紹介した。彼らのこれまでの活動、特に地域社会でのプロジェクトやアートの展示について話し始めた。そして、マイクが学と椎に向けられた時、最初は少し緊張した声で話し始めた二人だったが、るんの巧みな進行により徐々に自分たちの経験や思いを率直に語ることができた。


学は、アートを通じて自分の内面を探究し、表現する喜びについて語り、椎は地域社会に貢献することの大切さと、自分が関わってきたプロジェクトの経験を共有した。彼らの話はリスナーからの大きな反響を呼び、番組中には多くの応援のメッセージが寄せられた。


番組が終わった後、三人は互いに感謝の言葉を交わした。るんのラジオ番組への出演は、学と椎にとって新たな経験となり、自分たちの活動や想いを広く伝える機会となった。また、この経験は彼らの友情をさらに深めることとなり、互いを支え合う絆を確かなものにした。


ラジオを通じて繋がった心は、学、椎、そしてるんを新たな未来へと導く力となった。彼らは、これからもそれぞれの夢に向かって進みながら、互いに支え合い、刺激し合う存在であり続けることを改めて誓った。

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