469:ドロシーさんも私も考えてます!



■ドロシー 25歳 ドワーフ

■第500期 Bランク【忍耐の塔】塔主



 【節制】同盟戦でウチはクリスタルゴーレムキラリン(A)を喪った。

 いや、わざと死なせたと言ったほうがいいな。繕ったらあかん。これは塔主の責任なんやし。


 眷属枠は一つ空いたわけやけど、これをすぐに埋めようとは思っとらん。

 一応候補はいるけども、どうしても必要となった時にまた考えようかと思ってる。



「召喚報酬の魔物はどうなさるのですか?」


「それをまず決めようと思っててん。パルテア、騎竜はどれにしたい?」


「えっ、私が決めてもよろしいのですか?」


「そらそうやろ。パルテアの騎竜なんやし。そのために優先召喚権で余分に選択しといたんやから」



 現状の候補は三体やな。


=====


【竜翼】翼蛇竜アンピプテラ(★S)

【節制】三頭竜ファウスギドラ(★S)

【蒼刃】千剣竜ライナルエッジ(★S)


=====


 これのどれでもいいとは思ってる。ちなみにライナルエッジだけは地竜やな。

 アンピプテラはやや小さめやけど素早くて状態異常が強い。ファウスギドラはデカくて攻撃が苛烈。ライナルエッジは遅いけど攻防共に優秀や。

 どの竜にしても一長一短はあるし、あとはパルテアの好みで決めるべきや。



「そうですね……であれば……ファウスギドラですかね。おそらく私と共に最上層に置かれるのでしょうし、分かりやすく強いですから」


「やっぱそうか。ちなみに将来的には最上層に竜を二体並べるかもしれんし、ウリエル部隊も一緒に置くかもしれん。今は暫定やからな」


「承知しました。ありがとうございます」



 となるとファウスギドラを召喚して最上層に置くのは決定。

 それを元に新階層の構想を練るわけやけど……。



「ファウスギドラとなると三階層分は必要かな? 二階層分じゃ足らんか?」


「【節制】は二階層分でしたがね……飛び回れるほどの高さがあったかと言われると微妙なところです。しかし三階層分も使えるのですか? 他の階層に支障が出るのでは?」


「考えてるのは色々とあるんやけど――」



 まず、既存の階層で高さが不十分なところを連結にしたいとは思っとった。

 例えば三階層の『湿地』とか九階層の『神殿』とかな。


 三階層ではパープルモス(B)やハミングバード(C)が空から状態異常をかける役目なんやけど、一階層分やとどうしても高さが足りん。

 連結階層にしてそいつらが動きやすくするのと同時に、改装して『湿地林』にしようかと思ってる。


 【夢幻】の報酬でスリーピーモス(C)、パラライズモス(C)、テンプエイプ(B)、マジックモンキー(C)あたりがいるから、それも一緒に置きたいなと。状態異常だらけって感じや。

 ウチが召喚権利を持ってるわけじゃないけど皆に頼めばいけると思う。

 んで、四階層『尖岩洞窟』以降は繰り上げ。往復転移魔法陣もここになるけど、まぁ構わんやろ。


 元九階層の『神殿』はウリエル部隊とキラリン部隊に任せてたんやけど、キラリンがいなくなったから少し迷ってる。

 単純に連結階層として天使が動きやすくしてもいいし、元七・八階層の『大広間』と一緒にしてもいいなと。

『大広間』に配置したスフィー部隊とティターン(S)を『神殿』に置くっちゅうことや。

 そうすれば『大広間』を別の塔構成に使える。



「新たな階層案はあるのですか?」


「候補としては【針葉樹の塔】を模した階層やな。そこにアラサラウス(★A)とかフォレストドラゴン(S)とか召喚報酬の魔物を並べる感じ。アタランテも置くならそこになるかな」


「なるほど。であれば二階層分必要そうですね」



 そんな感じで話し合った結果、こんな塔構成に決まった。



=====


 1F:鉱山迷路 2F:沼地 3、4F:湿地林 5F:尖岩洞窟

 6F:トラップ回廊 7F:砦 8、9F:針葉樹の森

 10、11F:神殿 12、13、14F:大広間 15:玉座の間


=====



 往復転移魔法陣は『尖岩洞窟』と『神殿』に置かれる。

 侵入者の最高到達地点は『トラップ回廊』やけど――偽Cランクのヤツらが『砦』まで来たけどな――まぁずらしても問題ないと思う。


『針葉樹の森』に置く魔物は最後や。

 とりあえず『神殿』をウリエル部隊、スフィー部隊、ティターン(S)に任せる感じにして、『大広間』は現状パルテアとファウスギドラだけ。

 ただ単純な『大広間』とするつもりはない。ちょっと仕掛けを創るつもりや。まぁ後回しやけどな。



 塔構成が決まったところで魔物の召喚や。

 最初はファウスギドラ……60,000TPか。さすがやな。


 魔法陣から出てきたファウスギドラはウチが画面で見ていたよりも大きく見えた。とんでもない竜やな。

 長い三本の首、大きな竜翼、これは見るからに大ボスやな。

 パルテアが乗れるように鞍と手綱を……え? いらんの? さすが竜人やな。


 それから『湿地林』に配置する魔物を召喚。とりあえず70,000TP分くらい。

 最後に『針葉樹の森』に配置する魔物やけど……



「これは何から優先させたらええねん。フォレストドラゴン(S)か? 熊部隊か? トレント(C)とか植物系もめっちゃいるけど。アタランテ、どうしたらいい?」


「上層の手前といったところですから、そこそこの質は欲しいです。とりあえず熊部隊を置いておいて、余裕が出来ればフォレストドラゴンといった形でいいのではないでしょうか」


「そっか。んじゃそうしよう」



 残りは70,000TP弱。

 アラサラウス(★A)、ソーングリズリー(A)七体がいいところやな。

 あとは徐々に召喚するとしよう。二十万なんかあっと言う間やな。





■シャルロット 17歳

■第500期 Bランク【女帝の塔】塔主



 【節制】同盟戦が終わったあと、私は忙しくしていました。

 セリオさんやレイチェルさんからお祝いのお手紙が来たのですが、お二人とも塔主戦争バトルの内容を気にしていましたので、その説明もいなければならないと。

 それに侵入者の数がすごくてですね……さすがに【節制】同盟を斃すというのはインパクトがあったのだなぁと思った次第です。


 そういったことを熟しつつ、報酬TPにも目を向けなければいけません。

 魔物の召喚もそうなのですが、【女帝の塔】の改装を行いたいとも思っているのですよね。



「改装ですか。どこか修正でもするのですか?」


「一階層を連結階層にしようかと思っているのです。そして八階層の『城内探索』を削ろうかと」



 一階層『帝都』は屋外階層ですから天井には空が広がっています。しかし実際は9mしか高さがありません。

 ハーピィ(D)やサンダーバード(D)が窮屈そうなんですよね。なので出来れば高さが欲しいと。


 低いが故の利点もあります。

 塔主戦争バトルでは敵攻撃陣の飛行系魔物がろくに飛べないですから、水路の端から魔法を当てたり、油瓶を投げつけたりもしやすいのです。削りやすいということですね。

 ただ天井高があれば油瓶を投げる側、ハーピィたちはもっと投げやすくなりますし、侵入者相手にも戦いやすくなります。

 どっちもどっちではあるのですが、ハーピィたちのことを考えれば連結階層にしたほうがいいのかなと。


 一階層には時計塔を二つ立ててそこをハーピィクイーン(B)の寝床としています。そこから指揮をとっているわけですね。

 連結階層にすることによってこの時計塔をもっと高く出来ます。丸々ハーピィの住処にする感覚ですね。


 それと高層の建物も増やしたいです。景観を崩さない程度ではありますが。

 これは敵攻撃陣の飛行系魔物の動きを抑制するためと、こちらの飛行系魔物が隠れやすくなるようにという意図で。

 飛行系魔物もハーピィやサンダーバードだけでなくハイフェアリー(C)、ウィッチ(C)も追加。

 空を活かすような陣容にしたいと。家の中にも入れますしね。



「それは構いませんが付随して問題も出て来そうですね。例えば、一階層の難易度が上がることで全体的に見直す必要が出て来るですとか」


「そうですね。一部、罠的に配置しているEランクの魔物などは残しますが、なるべくDランク以下の魔物を減らしていきたいと考えています。あまり極端な変化はしたくないのですがね。客足のためにも」



 塔構成と<統率>による連携で難易度はかなり高くなっていると思いますが、魔物の強さが変わるわけではありません。

 侵入者はBランクの方が多いので、弱い魔物はすぐに斃されちゃうのですよ。

 仕方ない部分ではあるのですがね。だからと言って指を咥えて見ているだけでもダメだろうと思うのです。


 下層がD~Cランクの魔物、中層でBランクが出始め、上層でAランクが出始める……というのが一般的な『Bランクの塔』だと思います。

 うちの場合は五・六階層あたりからAランクの魔物がいますがEランクの魔物も混ざっていたりとどっちつかずなんですよね。

 だからDランク以下の魔物を削るだけでも相対的に難易度は上がると思います。


 そういった配置の見直しも大々的に行わなければなりません。



「往復転移魔法陣の場所も変更になりますが」


「それについてですが、『帝都』を一、二階層とし八階層『城内探索』を削って、四階層の『トラップ回廊』を八階層に持ってこようかと思っています。これならば往復転移魔法陣の位置も変わりませんし、『庭園から細い通路へと侵入する』といった形に出来ますから」



 今までの【女帝の塔】のコンセプトは『帝都⇒エントランス⇒地下⇒回廊を抜けて城裏の森へ⇒庭園から城内侵入』といった流れです。

 それが『帝都⇒エントランス⇒地下⇒城裏の森に抜けて⇒庭園から回廊を使って侵入』という流れになると。

 大まかには変わりません。いずれにせよ五階層の魔法陣から来た侵入者は『森⇒庭園』から始まると。ここは拘りです。


 ……まぁ十二・十三階層が『海の神殿』となっている時点で何を言っているんだという感じですがね。

 一応、ストーリー性をもった塔創りを行っているつもりなのですよ。私としては。



「下層から『トラップ回廊』が消えるということは、やはり難易度を上げたほうが良さそうですね。わざと深くまで侵入されるおつもりでしたらそのままでもいいとは思いますが」


「どちらとも言えないですね。ただ先ほどの通りで、平均的な質の向上は図ろうと思います」


「八階層に配置していた魔物があぶれますが、それはどのように?」


「『大書庫』の地上部隊とするか、『ダンスホール』の魔物部屋に置くかといったところですね。それで九階層と十四階層がほぼ埋まりますし」



 九階層の『大書庫』はベアトリクスさんのハイウィッチ部隊とアラエルさんの天使部隊、あとはハイフェアリー(C)やガーゴイル(B)などがいます。

 地上部隊は一応【氷海】の報酬であるクリスタルゴーレム(A)やアイスゴーレム(C)がいますが、そこに追加して八階層に配置していたロイヤル部隊を置いてもいいかなぁと思っています。

 十四階層の『ダンスホール』に関しては元々ロイヤル部隊が多いですからね。そこに混ぜればいいだけですし。

 サグラモールさん(★A)も十四階層に移動ですね。アスラエッジ(★A)と組ませましょうか。



「そうなるとどこも不足なさそうに見えますね。ある程度理想的な『Bランクの塔』には出来たと言えるのでしょうか」


「配置の見直しはしますけどね。ほとんどの階層で目途は立ったと思います。あとは『獣の砦』くらいでしょうかね」


「前半が連続中部屋、後半は連結階層ですね。麒麟部隊、マンティコア、ヴァルキリー部隊くらいしかおりません」


「はい。そこを報酬のTPで埋めようかと思っています」



『獣の砦』は前半が一階層分の連続中部屋となっています。前半部分だけで上り下りと部屋を巡るようになっていまして、そこを抜けると後半部分は連結階層。大広間になっているという構成です。


 ただ、中部屋に配置する魔物も不足していますし、飛行系魔物が多くなってきている影響もあり、そこら辺を加味した塔構成に改装しようかなとも考えています。


 具体的には前半も連結階層にしてしまおうかと。つまり十、十一階層を前半・後半で連結階層の大部屋が二つ並んでいるような塔構成です。

 これなら飛行系魔物が多くても大丈夫ですし、戦力が少なくてもまとめて仕掛けられます。


『海の神殿』のように二階部分に踊り場か部屋が欲しいですね。

 飛行系魔物はそこにいて、敵が正面の魔物と戦っている時に上や背後から奇襲が出来るような構造。

 魔物が決まったら改装しようかと思います。



 確定なのはケルベロス(S)、オルトロス(A)、バーゲスト(C)の番犬部隊。

 これは【女帝】の魔物なので優先的に召喚したいところです。

 ただ仮に一体、五体、二十体と召喚して部隊とさせた場合、それだけで……83,000TPもかかりますか。


 これを前半部分の地上部隊として、飛行部隊をヴァルキリー部隊としておきますか。マンティコア(A)もここですね。

 本当はここにエンシェントヴァルキリー(S)やクアッドペガサス(A)も置きたいところです。TPに余裕が出来たら考えましょう。


 後半部分は麒麟部隊を飛行部隊として、正面に陣取るのは……やっぱり雷竜ケツァルコアトル(★S)ですかね。

 雷同士で相性もいいですし、将来的に【白雷】のサンダーガルーダ(S)を置いてもいいかもしれません。

 ケツァルコアトルの召喚は51,000TP。これで残りは約70,000TPですか。



「あとはどうしましょうかね……」


「とりあえず改装から進めてみてはいかがですか? それ次第でどの魔物を配置するか決めてみては。もしくは限定スキルのために保有しておくというのも手かと存じます」


「そうですね……では先に改装から手をつけましょうか」



 先に案だけは仕上げておいて、また休塔日申請をしなければいけませんね。

 ん? 年越しと一緒に大改装としたほうがいいのですかね? 昨年のノノアさんのように。

 そうなれば新年から話題になるかもしれません。

 ちょっと皆さんと相談してみましょうか。



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