第158話 涙の次女

地獄の日曜日、ようやく夜を迎える。


一日中、変態夫の「ニッポンの政治家は在日、あいつらはニッポンを乗っ取る奴等〜」と有名政治家の名前を次々朝鮮名?で読み上げ、「キミは、お手伝いの割に働かないなあ〜怒!」と散々嫌味を聞き…、夫の読む新聞を前に「おい!」と呼ばれて参上すれば「この顔、明らかに朝鮮顔だろ?」と記事の写真を指さす。

「そうですね」と同調のふりをしつつ、吐きそうになりながら、無事に夜になった。


ようやく1時間だけジムに出掛けた夫。

その隙に書斎に滑り込む次女。

引きちぎられたキャラクターぬいぐるみを見つけたのだろう。

しばらくして、シクシク泣く声が聞こえてきた…やられたか。。。

せめて、友人にもらったものくらい助けてあげたかった。


夫の思想。

キャラクターは、敵。

洗脳の道具。

ニッポン人は、洗脳されている〜。。。と

あ〜もう、コイツ本当に頭おかしいんちゃうか?!

精神病棟へ誰か連行してくれ! 


ぬいぐるみでも、流石にハサミを入れるのは気が引けるけれど…彼にそんなものある訳ない。

先代の犬の時も、亀の時も、ハムスターの時も、更には自分の祖父母の時も、亡くなっても気持ちが揺れることなど微塵もなかった。

これは、医師という職業柄かと思いたい…。


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