第73話 モリモリ日曜日

日曜日の朝。目覚めて玄関を確認。

夫の靴がない。ということは帰宅していない。

勿論、彼の毎回の決め台詞

「俺は忙しいんだ! オレほど働いてる奴はいないんだぞ、怒」と高々と言うに決まっているので、特に詮索はしない。

ただ心の何処かで、そうやって過去に何年もリナちゃんにシーちゃんに「ケンさん、会えるかな?」と連絡がくれば、1回何万円もして女の子を「お買い求め」していた事忘れないよ…と呟く。

あえて「お買い求め」と書きたい。


リビングに行くと、朝まで勉強していた長女がいた。

現在在学中の獣医学の勉強、そして次の医学部受験の勉強で忙しそうだ。

今は、まだ穏やかに暮らしているが、いずれ国公立医学部以外許さん! 認めない! オマエって馬鹿なのか?と夫から叱責の日々が始まるかと思うと…頭が痛い。


そんな事を考えている間に次女が起きてきた。

頭が痛いとのこと。

こちらは、本当の頭痛のようだ。

体温計を手渡し、しばらく固唾をのむ。

熱が出ると持病が悪化する次女。

何とか6度台で音が鳴り、測定完了。

胸をなでおろす。


昨夜は、夫が発注した安全食材?をフルに活用して、久々にポテトサラダにを麻婆茄子、海老の炒め物作った。

体調不良の次女には食べれそうになく、簡単な朝食を用意。


そして、今日は夫の新しい車を迎える日。

夫は、家出をするのか?という程の荷物を現在の車から降ろして、新しい車の納車式に向かった。

玄関に大量に降ろされた荷物を片付けながら、コロナ禍の物であろう大量の防護服、特殊マスク、避難用食料に飲料水。予備の服。。。

山積みだ…。

よくこれで女の子を乗せていたな?という量だ。。。


初めて見る新しい車は白だった。

3年に1度買い替えると決めている夫だが、私は今まで彼の車購入に関与したことがない。

コレ買ったんだ、、、と眺めつつ、荷物の仕分けを続けた。


一通りの自慢話を聞きながら、体調不良の次女を案ずる。

夫に薬を聞くものの、持病のせいだと興味を示さない夫。

何事も「コロナワクチンを打ったからだ!」が第2の彼の決め台詞だ㊙

彼はコロナワクチンは、打っていない。

理由は、毒が盛られているから。


彼は、真剣だ。

私は接種済。娘2人も接種済。

娘達は、本人の意志を尊重して打った。

今も度々、君たちみたいな低俗の奴らには俺の思想等わかる訳が無いと非難される。

ニッポン人は、皆騙されている。

これは、ニッポン人をごく滅させる為の作戦だ。

著名な方が亡くなったとのニュースは、ワクチンを打ったからだ〜先ずこの会話をしてから始まる。


ちなみに、彼のクリニックでは接種を受付している。

沢山の患者さんが、コロナワクチンやインフルエンザワクチンを彼の手から接種。

内情を知る私からしたら、不思議な気分だ。


私は、市役所の案内を見ながら近くで予約枠を申し込み接種。

彼とは、無縁。

インフルエンザワクチンは、私も娘達も打ったことがない。

代わりに、怪しいと思ったらすぐに薬を吸入して予防に徹する。

インフルエンザにも毒があり…受けることは許されない。

そんな馬鹿な…。

国で決められた注射は、私の判断で受けている。

文句を言われても、私は受ける。娘達にも受けさせる。


そんなこんなで夕方。

夫は、自分を全力で守ってくれる母の元へ。

用事を済ませるだけだが、先週は義父から別荘の転売を持ちかけられた。

義父の別荘マンションを夫が500万で買うとの話。

やんわり断り難を逃れたが、今日はどうか。。。


夕食は、御一人様で和食屋を予約したいとのこと。

私達は、自宅で簡単に済ませる。

今日こそは、酔いつぶれても迎えに行かない。

昼間も散々家族にDVしておいて、迎えに来いは受付不可。

自由人らしく、自分で帰宅してもらおう。

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