第60話 ついていけない世界

私が夫と暮らしていて、勿論怒鳴られたり叱責されたり、自由を奪われたり…苦痛は沢山あるのだけれど、最も苦手な世界が存在する。

どう説明したら良いのか…

まず、朝からの行動。

なるべく会話が必要でない状態を作る為に、朝食には新聞を用意。

私は対面キッチンで彼の様子をみながらお弁当作り。

程なくして呼ばれる。


新聞の写真を指さして、何号かわかるか?と。

大体は皇室の方、大統領、総理など著名な方〜彼の中では何人も替え玉がいて、今日のは何号か?と。

歯並びや背丈、表情などから彼は今日は3号あたりだと解析したりする。

私は、頷く。


今朝は同期からメールがあり、高校の同級生が亡くなったと。

医者だったそうだ。

何やら偉い役職だったらしく、勿論陰謀説。

常に亡くなった方は、陰謀説。


ニュースで地震がでれば、人工地震の作り方の説明。ハワイの火災のとき等は、レーザーで空から焼いているという主旨の説明を受けた。

自分のクリニックから自宅電話に掛けてきた時には、数分おきに「盗聴するな盗聴するな」と天の人?に呟く。盗聴されている前提。


仲の良い唯一の個性的な友人(医者)にメールする時には、文末に検閲をせず通過させるようにと一文を加える…全てのメールは全て検閲されているという考え。誰がなんの為に?と私は思うけれど、彼は真剣。


人とすれ違えば即座に「B」と呟いたり、自分なりの差別用語を発令する。

聞いたところ肌の質で、お国柄やら出生を決めたりしているようだ。

勿論私から見たら、普通の日本の方。


これは、ほんの小指の先程のエピソード。

こういう世界が全く理解できないし、理解したくもない。

これは、何かの病気なのか?

性格? 性質なのか?


先日は、ニッポンの紙幣価値がなくなるから全ての財産を硬貨にすると。

実際に沢山硬貨が自宅に存在する。


私は、不安でしかない…

病気であるのか、ないのか?

病気であってほしいのか、ほしくないのか?

どちらにしろ、ついていけない世界。

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