第26話

「先生……、先生……。なんだか思い出せそうだけど……」


「鶴川先輩」


「えっ、あっ、ハイ!?」


「定時になったので帰ってもよろしいでしょうか」


「うん、お疲れ様。初日からすごく良かったよ」


「ありがとうございます。お疲れ様でした」


「ちょっと待って!」


「はい……」


「もう一回だけ『先生』って呼んでくれないかな」


「思い出してくれなかったのに、ですか?」


「ごめん!でもあと少しで思い出せそうなんだよ、お願い!」


「しょうがないですね」


「よろしく頼む」


「行きますよ……」

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