「アレの名は」


「絶対こっち」「いいや、こっちだ」彼は譲らない。私はこっちがいいのに。「なら、どっちもはんぶんこはどう?」「はんぶんこ…だと」二人とも大好きな御座候。赤あんと白あんが各一個。「しょうがない。それで手を打とう」彼が納得したので包丁ではんぶんこした。次は赤白二個ずつ買うことにしよう。



「御座候?」僕は聞き返す。今だに慣れないその名前。僕の生まれた地域では呼び名が違う。転勤先は彼女の生まれ育った街。うどんだしの色も違う、不思議な感じだ。だけど、名前が違うそれの味は変わらないと僕は思う。「赤と白あるけどどっちがいい?」どっちも好きだ。次は僕がいっぱい買ってこよう。



――――


ちなみに私の中では「回転御座候今川焼ぃぃぃ!」です(何)

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