「今日にかぎって」


隣に住む双子の兄弟。いつもお兄さんが先に学校に行く。今日こそ告白する。学校で私を助けてくれた弟君に。少しして玄関の扉があいた。「行ってきます」彼の声がした。私が待ってる曲がり角まですぐだ。息を大きく吸う。「好き!」ドキドキしながら目を開ける。そこには先に出たはずの双子のお兄さん。



「好き!」隣に住む彼女が、僕に声をかけた。失敗したんだなとすぐにわかる。彼女は焦る表情を浮かべていた。「僕も好きだよ」弟が好きなのはわかっていた。だけど口から出てしまう。だって、あの日君を助けたのは僕で弟じゃない。それに弟には彼女がいる。ごめん、あの日名前を誤魔化した事謝るから。

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