決戦! 第二次大海戦!!
「うふふっ、だって部屋のクローゼットにあったんだもーん! そーくんが喜ぶかなぁーって、うふふふふっ」
「『だもーん!』じゃないわよママ! 歳を考え……っ!?」
「……美海?」
「ご、ごめんなさい……」
うわぁ! 虎柄ビキニの晴海さん…… プリプリのムチムチで…… エッッッ!!
改めてじっくりと全身を見るとやっぱりスタイル抜群だし綺麗だよなぁ…… 今はお怒りモードだけど。
虎柄ビキニ…… お怒りモード…… 電撃でも出そうな感じだな! あははっ!
「総一…… 笑ってないでママを宥めてよ!」
「…………美海、おしおきだっち……」
晴海さん! それは色々とマズイですよ!
「あぁ、晴海さん可愛い! よっ、セクシー! プリティ!」
「……そうかなぁ? うふふっ、そーくん大好き!」
んんーっ! また抱き着いてきてキスの嵐! ……うん、なんとか誤魔化せたし、晴海さんの機嫌も直ったみたいだな。
「総一……」
「ほら、美海もおいで?」
少し仲間外れにされて寂しそうな美海を手招きして呼び三人で抱き合うと、すぐに美海の機嫌も直った。
「……それで? どうして二人はここにいるの? 大海と凪海は?」
「朱凛おばさん達が面倒を見てくれているのよ、今日は紫音ちゃんの兄妹も預かってみんなでテーマパークに行くとか言ってたわね」
「凪海もいるからお義兄さんも行くみたいよ」
「だから…… ふふふっ」
「お姉ちゃんが『あなた達は三人でゆっくりして色々楽しみなさい』って言ってくれて、しかもこの部屋を貸してくれたの! うふふっ」
子供達は朱凛さん達に遊びに連れて行ってもらってるから居ない……
三人で楽しみなさい……
スイートルーム……
導き出される答えとは……
「とりあえず総一」
「お仕事終わって疲れたでしょ? だから……」
「「私達が綺麗にしてあげる!」」
…………
…………
あ…… あぁ…… 船体を洗体されてしまった……
スイートルームなだけあって、豪華で広いお風呂だったが、そこに出撃した虎柄装備の二艦による、モチモチのムチムチスポンジでの隅々まで丁寧な洗体…… いや、これは攻撃…… を受けている。
「うふふっ」
特製燃料をたっぷり使った揚陸艦のメンテナンス。
「ふふふっ」
巨大空母にピッタリムニュっと背後を取られ、メンテナンスのサポートをされる。
「「……どう?」」
仕上げとばかりに胸部装甲四点から放水されつつ、密着されて身動きの取れなくなる潜水艦…… そして……
「うふふっ、まだダメよ?」
「そうよ、まだ私達の戦いは始まったばかりなんだから」
魚雷を発射するため照準を合わせていたが突然敵影が消えた! うぅ…… 切ない。
「そーくん、大事なお話があるの」
……へっ? この状況で?
「うん、だからちゃんと真面目に聞いてね?」
聞くけど…… その手は何? 動かさないで離してよ!
「あのね…… そのぉ……」
「ママ、頑張って!」
「うん……」
言いづらそうだけど一体何の話なんだ…… 二人から若干攻撃を受けているから気が散ってしまいそうだけど、晴海さんは真剣な顔をしているから大人しく話してくれるのを待とう。
……手は別として顔だけは真剣に見えるからな。
「あのね、そーくん…… 大海も三歳になったでしょ? だから…… その…… もう一人どうかなぁーって……」
えっ!? も、もう一人!?
「こんなに若々しくて綺麗なママだけど、年齢的に今が最後のチャンスなんじゃないかなって思うのよね、だから考えてあげてくれない?」
確かに…… 晴海さん、こんなに可愛いけど三十八歳なんだよな……
でも、年齢を考えるとリスクも高くなる…… もしかしたら晴海さんに何かあるかもしれない…… 最悪の場合……
「絶対大丈夫…… とは言えないけど、やっぱりそーくんとの子供がもう一人欲しいの…… だからお願い……」
「ママ、ずっと悩んで決意したことなのよ、だから私はママのことを全力で応援するつもり、でも決めるのは二人だから、よく話し合って決めて欲しいな」
晴海さん…… 美海……
「俺は…… 晴海さんが大切ですから、晴海さんの望むようにしてあげたいです」
「そーくん……」
もしものことを考えると悩むし、不安になってしまう…… それでも、晴海さんが望むなら俺は……
「きっと大丈夫、晴海さんならきっと……」
そう自分にも言い聞かせるようにして、晴海さんを抱き締めた。
……年齢的にデキるかも分からない、それよりももっと大切な事があるじゃないか。
「晴海…… 愛してるよ」
「はぅわっ!! やん、いきなりどうしたの? ……うふふっ、私も愛してるわ」
『作ろう』という気持ちより、もっと愛し合いたいという気持ちの方が大切だ。
もし愛し合った末に授かったのなら、俺達もより嬉しいからな。
「……私は?」
「もちろん美海も愛してるよ」
「ふふふっ…… 私も愛してる」
「そーくん! 早くベッドに行きましょ!」
「私もものすごく戦いたい気分になってきたわ!」
はっ? 美海も? ……いや、二人して腕を引っ張らないでよ!
「ふきふきしましょうねー?」
「ほら、ばんざーい」
ああ、ちょっと、二人とも!
「そーくん、背中拭いてぇ?」
「私もお願いね!」
う、うん……
「そーくん……」
「……えい!」
キャッ! や、やめて! 乱暴にしないでー!
「うふふっ……」
「ふふふっ……」
あ、れ? こ、この感じ…… もしかして…… 晴海さんとの話じゃなかったの? 美海までやる気になって……
「それじゃあ総一」
「戦闘開始ね! うふっ」
ぎ、きゃあぁぁー!!
二人とも戦闘狂モードだ!
今まで数々の激戦を繰り広げ、勝ち続けてきた不沈艦二艦が今、この大海原に再び解き放たれてしまった!!
こ、今夜の海は荒れるぞ……
でも! ……それでも!!
……負けられない戦いが、あるんだよー!! 突撃ーーー!!!!
…………
…………
い、いやぁぁー! らめぇぇぇーーー!!
うぅっ、くやしい…… だけど、魚雷を発射しちゃうっっ!!
「ふふっ、情けないわね」
「可愛い…… でもぉ、まだ戦えるわよね?」
ひ、ひぃ! も、もう、むりぃぃ……
そこは…… あ、あひぃぃぃぃーーー!!
…………
ちなみに次のアルバイトの日。
「鬼島さん、あのスイートルームで……」
「朝に部屋の清掃に行った時……」
「美人姉妹? を一人で相手……」
何か先輩方が俺を見てひそひそ話しているんだけど…… とりあえず挨拶しないと
「おはようございます」
「お、おはよう鬼島さん……」
「おはようございます! 鬼島さん! 今日も頑張りましょうね!」
…………何かしちゃった? 俺。
女性の先輩からは少し距離を取られ、男性の先輩は妙に慕われ持ち上げられるようになってしまった。
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