死に至る

これほど簡単なことはない


人はいつでも死ねる


それは有り難い


人は脆いから


すぐ死ねる


すぐ死ねる


もっと死にたいと思うようになる


幾つもの死体を重ねて複雑にしたくなる


死というものを肯定したくて崇拝したくて


死神たちはケラケラ言いながら


死を生物の終わりとした


故に死に縛られ


死ぬことを恐怖するのだが


これは人の勘違いだ


死は恐怖するものではない


強いていうなら畏怖するもの


そう崇める


神は死なのだ


無意識に


私たちは日々死に祈り捧げる


これほど簡単なことはない


人はすぐ死ねる


私たちは死を神としているから


死は優しく殺しの手を繋いでくれるだろう



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