私の携帯電話の歴史

成瀬昭彦

初めて持った携帯電話

1994年9月のある日、難波CITY南館にあった中川ムセンの店舗の前で、携帯電話会社からアンケートの依頼があったので、受けてみた。



ただ、そのときはまだ携帯を持っていなかった・・・というより、まだ普及すらしていなかったかと思う。



「携帯電話、お持ちでしょうか?」



「いいえ、持ってません!」



「そうですか?これから携帯電話を持たれる予定ありますか?」



「あー、ちょっと、まだそう言うの、考えたこと無かったので・・・めったに電話をかけること無いので・・・」



「そうですか、もし、持たれる機会があれば、ぜひ、こちらでよろしくお願いします。」



渡されたのは、パンフレットだった。



その電話会社は、関西セルラーだった。



当時、関西セルラーと聞いても、全然わからなかったのだが。



数日後、勤めている会社の、営業部の上司が、携帯電話から得意先?に電話をしている姿を見て、なるほど!携帯電話って、意外と便利なんだな!と、思ってしまった。




しかし、めったにかけない自分に必要なのか?と思ったのだが・・・



その1か月後の10月初め、銀行印、通帳、そして運転免許証(身分証明証)を持って、アンケートを受けた難波CITY南館の中川ムセンに。



携帯電話を持つ決意をしたのだ。



最初はやはり持っても意味がない、お金がかかるだけ無駄なのかも・・・と思ったのだが。


でもポケベルを持ったこと無い自分は、家族からの連絡手段が無かったら!と思いとりあえず、持つだけ持っておこうか?と思ったのだが。



基本料金だけでも月8000円も・・・契約して、持っているだけで・・・。



そこに通話をすれば、通話料が加算されてしまうのだが。



しかし、めったに通話しない人のために、「ちょっとコール」というサービスがあった。



基本料金が約半分の4000円ほどだったが、その代わり。通話料は、通常の3倍だという。



まあ!とにかく、めったに通話しない自分には、その方が良いと思い、「ちょっとコール」で契約した。



電話本体と、契約料などで、110000円もかかった



しかも、契約した日から、半月もかかって、やっと携帯電話を手に入れた。



中川ムセンに向かい、契約したときの書類を店員に提出した。


しばらくして、中サイズのダンボール箱を持ってきて、そこから、真新しい黒の携帯電話を取りだし。



「こちらが、本体です。」



見せられたあと、電源が入れられた。




カードサイズの電卓の液晶画面ぐらいの、小さな画面に、



「電源入」



と表示され、電源が入った。



そのあと、店員はその携帯電話から、どこかに電話をかけた。




どうやら、関西セルラー会社にかけたようだった。



初めて携帯を購入したとき、その電話会社に電話をかけることが決まりのようだ。



ある程度やり取りの通話をしたあと、店員は電話に出るように、渡された。



その電話に出ると。



「はじめまして、今回、携帯電話の御購入ありがとうございます。これで、御購入された時の手続き終了しましたので、もう、電話が使えます」と・・・



あとは、取り扱い説明書や、電話番号が書かれた書類などが入っていた。


これが自分の携帯番号だったという。


これで、初めて携帯電話を持つことになった。



しかし、アナログだった。



バッテリーはMサイズとLサイズがあり、Mは、6時間、Lは11時間しか電源が持たなかったのだが、通勤の時しか電源を入れなかったので、2~3日で充電をしていた。



だが、あまりかける事はなかったのだが、とりあえず持っておいて、親からの電話を待つと言う感じだった・・・。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る