82.生贄儀式をストップ!結べ新たな友好!
頭痛いですわー!
人身御供が今でも生きている新大陸テアポカ王国。
この大陸に来てから私達に協力してくれていた可愛らしい少女ムンチルが、その生贄だった事。
私達が王都に来た夜、新たな少女が生贄にされる所だった事。
しかもその返礼が一族への名誉、生涯の保障。それもたった金貨10枚。
このフザケンナ弩阿呆ー!って事実を、とりあえず棚上げにしました。
交換条件は、生贄少女のゴリアへの留学。
新大陸での見聞と新大陸への伝播。
そん位で未来ある少女達の未来を守れるならやったりましょー!
で。
「アカポカモポポカッチャクッペキカボッカゲカカッケペガー!アガガガー!」
どうしろと。
『生贄の名誉を奪って、どう償うのかと言っています』
いえ、途中白い悪魔がーって聞こえたんですけど。
「お嬢様ニュータイプですなあ」
何ですのそれ?えーと。
『貴女の家族は暮らしを守られます。貴女は私達の国へ行って学び、知った事をこの国に伝えるのです』
「メカッカモカカハアポカー!ボッガゲガカッケペガー!ナガガガー!」
だからどうしろと。
『早く殺せ、殺して神の元へ連れて行け』
『白い悪魔が、と?』
『わかってましたか』『わかります』
悪魔に殺されて神の元へ行けるのですか?
あら。流石にこの罵詈雑言娘もバツが悪そうですわ。
『はー。ムンチル。貴女もゴリアで色々学んでテアポカに多くの事を伝えて欲しい。
ゴリアだけじゃない。大陸で、素敵な事も、残酷な事も、それでも必死に生きている人達の事を学んで欲しい』
『ツンデール様…』
ムンチルは問題ない様ですが。
『ムンチル、お前神を裏切ったのかー!?』
問題はもう一人の子。
『ムンチルさんはここに住む多くの人の命を救いました。
そして、多くの人を私達の友達にしてくれました。
私の大切な友達です』
『アポアポテキトカ神を裏切った!』
『何をしたら裏切りなのですか?』
『白い悪魔と手を組んだ!』
『アポテスカ王も簒奪者サロピンと手を組み、多くの人を殺し病気に罹るのを許しました。王も裏切り者ですか?』
『無礼者がー!』
『理屈が通らないではないですか。
私は理屈が通らない事は許しません』
『王は絶対だー!』
『その王が貴女に大陸の事を教えてあげて欲しいと言いましたよ?』
『ぐぬぬ』
勝った。
とりあえず、この目の前の爆弾娘
「お嬢様がそれをいいますか?」
黙ってマッコー貴女も仲間です。
えー、とりあえずこのキャロチュって子が私達の目の前で心臓を抉り出される事は無くなりました。よかった~。ホントに。
『勝ったと思うなー!』
はいはい可愛いもんです。
宴会の前に湯浴み。ビバノンノン。
「ここも温泉湧くのでしょうかねえ~」
「さっきザイト様がドカドカやってましたから~」
『こんなの初めて~』『はふう~』
ムンチルとキャロチュの反応を見るにさっき出来たっぽいですわね。
『あんた達こんないい暮らししてたら死にたくないよねー』
『いいえ。みんなもっと辛い暮らししてます、でも』
『でも何よ!』
『あの、ザイト様と一緒にいると、色々不思議なことがある。何故でしょうね?』
『じゃああのザイトって不細工なオッサンが神様?』
カチン!
『私の宰相を不細工と言ったわねこの小娘!』
『あんただって小娘じゃん!』
「ツンデール様、こっちの言葉で喧嘩してる…」
「器用ですねえ~」
『ツンデール様って、貴族ですよね?』
『そう思うでしょ?』『でもねえ~』
そこ!マッコー!ナゴミー!ムンチル!覚えてらっしゃい?!
と、そこにデカい音が!
『国王に楯突いた愚かな白い女は誰だー!』
野郎のどす黒い声が!
『愚か者はお前だ!女の湯浴みに乱入する弩助平チンピラ三下があ!』
ちょっとマッコー!布を布を!
壁を突き破って出てきた…あらやだちょっとイケメン?
『おお!良い女じゃないからばっちょ!』
横っ面に蹴り!
『女風呂を除く出羽亀など夜空の果てまで運び去る!キェーっ!』
マッコーまでザイト様に毒されて…
なんかイキリ出羽亀は顔面に蹴りを喰らって鼻血吹いて気絶しましたわ。
『ツンデール様!大丈夫でしょうか?!』
『はわー…』『マッコー!貴女こそ』
と、ケニエが
「申し訳ございません!
お嬢様に無礼を働こうとした賊100名を鎮圧したのですが」
100…大したものです。
で、残った雑魚がこの出歯亀ですか。
『いえその人100人隊長でしょ?!』
後ろにぴったりくっついたキャロチュが教えてくれましたが、知りません。
『き!貴様一体何者だ…』
『出歯亀なんぞに名乗る名前はありませんわ!アチョー!』
そして止めはツンデールクラッシュ!
無様な出歯亀鼻血マンを風呂の外に放り投げて一件落着。
私達は再びビバノンノン。
寛ぐ私達になんかムンチルとキャロチュが呆れてますの?
『あれでもう一回風呂に入れる神経が凄い…』
『敵に回しちゃいけない人達って、この人達のことなんだ…』
私達、敵なんかじゃありません事よ。
******
そして捧げ物の宴。改め、タダの宴。
先ほどの直訴が効いたのか、あの生意気で可愛い少女キャロチュが、私の隣に差し出され。
国王陛下が宣言しました。
『我が国の病を癒す力を貸すと言ったゴリアの貴族、ツンデール。
この者の願いを受け入れ、捧げ物をツンデールの地、ゴリアに遣わす。
捧げ物はゴリアでの見聞を我が地に齎し、捧げ物として実りを齎すであろう。
ゴリアの使者ツンデール。くれぐれも約束を違わぬ様に!』
どうにも彼らにとってこの子は「捧げ物」なのですね。では。
『ゴリア王国、オリエタ辺境伯ツンデールが約束します。
この覚え目出度く、末永く世のために働くであろう優れた娘キャロチュ。
そして同じく優れた娘、ムンチル!』
あ、向こうはビビってるビビってる!
『この二人を私は命に代えて守り、育て、この国にお返しします。
どうか、この二人の見た事、知った事をこの国の貧しい人達、困っている人達、子供達の為に活かして下さい。
そして、二人共、命を傷つけられることなく、永らえる事を。私は…』
息を吸い、止めて。
国王陛下を、睨んで。
『強く!』
おお、国王、ビビった。
『願います』
あ。ビビったの国王陛下だけじゃなかったっぽい。
と、思ったら、拍手。
誰?またザイト様?と思ったら…
さっきの出歯亀!
何か頭を下げ、頭の上で手を叩いている?拝む様に?
なんか周りもつられて拍手してるし!
そして大喝采へー!
あーもうなんだかどうにでもなれー!
「流石テアポカの勇者を瞬殺した戦鬼だなあ」
オッサン!見てたとか言わないでしょうね?アンタも成敗しますよ!
「見る必要もないでしょ?」
そこは嘘でも見たいとか言え!ですわ!
あ、国王が出歯亀殴った!
髪の毛掴んでこっち来た!
『オリエタ様』『ツンデールでいいですよ』
『ツンデール様。未熟なだらしない奴が失礼した。
この男はテアポカの戦鬼と言われている。
これを叩き潰した者を従えるツンデール様は戦鬼を下した姫、戦姫だ。
私は従者殿と貴女を戦姫と呼ぶ』
何言ってんですのー?!
それはマッコーに言ってやって!
『御免です』酷いー!
『異存はないな?出歯亀!』
『あああいえいえい!戦姫の家臣の姫を拝めたこの至福!』
『嫌あー!』『よさんかワレー!』
マッコーに近づくなや!キックの鬼ですわー!
出歯亀が再度飛んでいきました。
『ツンデール様こそ戦姫!』
『『『おおー!』』』
ヤメテー!!
『『『戦姫!!!』』』『『『戦姫!!!』』』
だからヤメテー!!!
『やはりツンデール様は凄まじい』『マッコー様もステキ~』
そこ!ムンチル!キャロチュ!顔真っ赤にしてないでなんとかして!
「これメリエンヌ4世様に何て報告しましょうかね」
「そのまんまでいいんじゃないのお…」
「考えるだけ無駄です」
「考えの先を行くのがツンデール様ですからねー」
マッコー!ナゴミー!ケニエ!クリナ!
誰か助けてー!お願いだー!ですわー!
翌朝。
王国の家臣の皆さんに対し、疫病について簡単な講義が行われました。
どうにも納得頂けない様ですが、とりあえず合意が得られました。
しかし、新たな問題。
昨日も国王陛下や家臣の方が言ってましたが。
シャクレーヌの略奪者共が、テアポカに対し神の化身を名乗る一方で、どうも敵対国家ドデスカを利用してテアポカ殲滅…
いいえ、共倒れを狙っているらしいのです。
また頭の痛い事を…
シャクレーヌってなんか呪われてません?
一応の説明を受け、テアポカ王国と相互に外交使節を置く事を文書で調印。
ムボビ・テアポカまでの鉄道延伸も合意。
これでこの街も疫病対策が進むでしょう。
しかしこの街の人口は5万人。結構な人口密度です。
ニューミョークと交流が深まるのは有難いですけど、下手したらニューミョークからの感染リクスの方が上回ります。
「双方に検疫所を作らなきゃなあ」
何か手馴れてますわねザイト様。
でもそれで上手くいくなら何よりですわ。
******
テレレ↑オリエタ紋⇔海軍紋レー↓ヒェッ↑
一方!総本山派遣艦隊では!
「やっぱこれ歴史年表や」
ここ数日のツンデール様からの電信を眺めて。そうだよねえ。
「破竹の勢いとはこういう事を言うのですね」
「ウチのツンデール、この1年で一体どんだけ王様と会っとんやろな、ハハハッ!」
全くだ。
「それにしてもあの豚女。
大陸でこんだけの活躍をするウチのツンデールを地球の裏側までぶっ飛ばしよって。
絶対吊し上げたる!」
ぶっ飛んでいったのはツンデール様本人なんだけどね。
大陸外交に加え、シャクレーヌ北岸殲滅を終えたゴリア鋼鉄艦隊。
そこに護国の老英雄ショア提督が。
「女王陛下」
「どうしました?豚女を捕えましたか?」
「あまり成果を逸りなさるな。もう大きな敵はおりますまい。
ここで艦隊を二分したく進言申し上げます」
「西へ?」「左様」
ショア提督は、新大陸への航路を確実にするため、インビンシブル号が発見した火山島とその属島をゴリア領として確保したいのだろう。
鋼鉄艦には石炭も真水も必要だ。
その備蓄も、設備も必要だ。
更にはリン鉱石の島という天然資源もある。
メリエンヌ4世は頷き、そして優しく声を掛けた。
「お願いします。しかし、私は提督にお休み頂きたいのです」
「海こそ我ら海の男の揺り籠です」
「無茶仰い!我が友フナノリアはそんな事を願ってはいません!」
トリッキ、ちょっとお冠。
「どうか末永く生きて、後輩に助言を与えて下さい」
「しかし!一刻も早く新大陸に!」
「貴女の海軍はまだまだ提督とフナノリア、筋肉軍団以外はヒョロヒョロのスッタコですわ!」
「「「ヒョロヒョロのスッタコ…」」」
周囲の海軍軍人がorzとなったが、まあいい気味だ。
「今我が友が、未知の世界に果敢に挑み、成果を上げている最中です。
中継港を建設し、後進を鍛え上げ!大陸との距離を縮めましょう」
「ハッ!!」
ここで艦隊はゴリアへ引き返した。
******
テレレ↑海軍紋⇔テアポカ紋レー↓ヒェッ↑
一方!王都ムボビ・テアポカでは!
感染者と一緒に生活していた、「濃厚接触者」に当たる平民階級100人に接種が行われました。
何だか人体実験みたいですわ。
私達は連日王都へ向かい経過を観察。
3日後の発病率は4人に抑えられました。
しかし完全に撲滅していない分、未知の治療を恐れる向きからの誹謗中傷はどうしても抑えられません。
しかし、引き続き行われた罹患者の重篤化を避けるケアは上手く良き、1週間で快方に向かう者は6割に上りました。
そして発病者もその後新たに出る事無く、抑えられました。
ここに至って漸く誹謗は収まり、接種への期待が高まりました。
王都での私達を見る目も、和らいだ気がします。
特に軍人達。特にマッコーを見る目線!え?私も?
あ、ケニエが牽制したら百人隊長が逃げた!ざまあかんかん!
そんな数日後、無電が。
「メリエンヌ4世殿下がシャクレーヌ征伐と大陸各国への交渉を終えた後、オリエタにお越しになられます!」
トリッキ!
…いえ、メリエンヌ4世陛下が我が我が領地にお越しになられる!
早速お迎え…えーと予防接種後1週間洋上で隔離。
それから上陸、今は二の丸病院は皆さん退院されているので、ま念のため消毒。
「あ”-!防疫って大変ですわー!」
「これを練習台として下さい。本当に凶悪な黒死病やインフルエンザとか冗談じゃ済まされませんから」
「黒死病は兎に角、そのインフル…」
「恐らく将来発生する最悪の疫病の一つです」
「一つに過ぎませんの?!」
「疫病は進化しますので」「はあ~。」
でも、トリッキに会える!
それだけで私は嬉しくてなりません!
予防接種は続きました。
私とナゴミー、生活組のお母さんたちが現地の子供をあやしつつ接種。
その様子を見ていた母親達も、恐る恐る接種。
何故か私を皆が手を合わせて拝むのは理解できませんが。
一方、マッコーとケニエは軍人達に勝負を挑まれ次々返り討ち。
そいつ等が部下に接種を命じ、思わぬ追い風に進捗率は順調です。
接種に並行して戸籍が作られ、行政基盤に協力する形になってしまいました。
いつしか湖上に浮かぶ様なこの王都が、居心地の良い街に感じられる様になりました。
そうすると後気になるのが生活環境。
今、垂れ流しなのですよね。
『家が捨てる水をきれいにしないと大陸からの病気以外で死滅します』
心当たりがあったのでしょう、ジゾエンマにあったのと同様の浄水設備の建設に百人隊以下が協力しました。
******
並行して、飛行隊による資源調査、更にインビンシブル号による沿岸地勢調査が行われ、新大陸沿岸の姿が徐々に正確に解って来ました。
その一方で、各種作物の採取も。
「んまー!んまんま!おいしいー!」
ナゴミーが凄い美味しそうな顔してます。
『でしょー!』得意そうなキャロチュ。なかよしさんですわね。
『でも時々毒がある実もあるからねー』
『これえ~?』『ギャー!それ食べちゃダメー!!』
とりあえず分析。
『これは食べられますよ』
とザイト様。
『え~?!』
キャロチュも驚いていますわよ?
どうも加熱しないで食べると脚気を起こすのですが、高温で加熱すれば栄養になる、とか。
『知らなかった』
『なんでも試せばいいんですよお』
『貴方達凄いわねえ』
『凄いのはツンデール様とザイト様ですよお』
向こうの方では、ここで食べられている穀物から作ったお酒…を。
ザイト様が「片手間ですよ~」と醸した酒が。
『美味ぇ~!!』『水みたいなのに甘いぞ~!』
『こらうまい!うまいですよこれは!』
『なんちゅうもんを飲ませてくれるんや!』
大好評の様で何より。後から少し貰いましょう。
と、そこへ、普段現れる事がない、と言われていた国王アポテスカ王が。
『すっかり、仲良くなった』
『いえ。本当の試練はこれからです』
そう。この所鳴りを潜めている略奪者達。
『大陸の女は皆ツンデール様やマッコー様の様に強く賢いのか?』
『強くないですしー!!』
『皆が戦姫とその主を讃えている』
ヤメテー!
『肌に豆が生えた者も死ななくなった。ツンデール様のお陰だ』
そう言うと、ザイト様が献上した酒を差し出されました。
ではご相伴に預かりましょう。
あ!美味しい。サスザイ。
『しかし私は解らない』
何をですの?
『前に来た白い人は神を名乗って、死者を増やした』
そりゃ外道ですから。
『ツンデール様は神ではない、同じ人に過ぎない。
そう言って病人を救って笑顔を増やした』
そりゃ人ですから。
『我の出来なかった事を成し遂げた』
『それは違います。
私が今こうしていられるのも、国王陛下がお許し下さったからです』
『貴女は善良だ。そして美しい』
きゃ!やだも~!…はぁ。
もっと若いイケメンな王様に言って欲しかったな~って言ったら罰当たりますわね。
お互いにお酒を頂きながら。
『これから我らは戦になる』
来ましたわね。
『対立するドデスカ国と』
でしょうね。そして。
『そこに略奪者達も味方するでしょう』
『何故そう言うのか。私達に神だと言った人達が』
国王陛下、そして臣下の人達には、そうであって欲しくない。そんな願いもあるのでしょう。
その願いはここで叩き潰しておきましょう。
『奴等は神でも何でもない、欲深い略奪者です。
奴等は、貴方の民が何人死んでも心を痛める事などありません』
『では、ドデスカとの闘いに力を貸してくれるのか?』
『力は貸しません。先日断った通りです。
何故両国が争うか解りません。
解らない戦いに友に死ねと命じられない』
『貴女ならどうする?』
う~ん。
『先ず、略奪者を叩きます』
『貴女なら出来るだろう』
『そして、必ずいる筈の、ドデスカの病人を治す』
『治すだけ損ではないか!』
『信頼を得るため必要な出費です』
『奴等は信用出来ない!』
色々根が深そうですわね。
『では、病気を治した人の分、金を払わせましょう。
払わなければテアポカの働き手にしましょう』
『そう簡単に従うまい』
『食事、衛生、そして宴。
彼等に必要な暮らしを与えます。大丈夫ですよ』
国王陛下の表情が硬くなっていく。
『私には、貴女が女神の様にも、なにか欲深い者にも見える』
何だか、この国は甘いですわねえ。
『私の大陸には多くの国がひしめき、時に争い、時に友となり、2000年の歴史を刻んできました』
『そんな昔の記録があるのか!』
ここには字が無いですからね。
『なので、この地の者同士の戦いを一度治め、私達の大陸に対抗する力を整えるべきです』
『白い人達は野獣を貫く槍を持っている』
『正面から戦わなければ勝てます』私、今出鱈目言った!
『大事なのは、貴方達がこの大地を守る決意です』
『決意…』
陛下が笑った。
『ハハハ…決意か。それが無ければ王とは呼べぬか…ははは!』
『陛下!これ以上は!』側近の方が引き揚げる様促した。
『そうかそうか、残念だ。もっと貴女と心の通うの話をしたい、ツンデール様!』
そう笑顔で。屈託のない笑顔で陛下は笑い、側近の方に支えられ去って行った。
「また戦いですね」
居たんですのオッサン。
「私の人生解って来ました。こんな綺麗な湖の都でもガケっぷち。
ここでシャクレーヌの。
いえ。ゴリア貴族もいるでしょうね。
大陸の略奪者。
そしてそれに阿るこの地の人々。
そいつら全部叩き潰す!!」
なんか次の言葉を促すかの様なオッサンのニヤつきが気に入りませんわ!
「んでもって大陸の破滅を救う!
疫病と侵略から救う!」
あ…こっち見て頷いてくれてるのは、ジゾエンマから来た皆。
え?ムンチルも?
まあ、見ていて。
所詮私は流れ者。
崖から崖への渡り者。
ならば渡して見せましょう!
少しでも多くの命が救われる、そんな命の絆を!
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