第20話 B型の苦難II

「手紙なんて久しぶりに書くなぁ」

ボールペンを奥深くから取り出す。

カチリ。

まだまだインクが残っていた。


とはいえまずは、試し書き。

ガリガリガリ。

「出てこねーかぁ。」


グルグルと円を描くようにボールペンを動かす。

インクは出てこず。

紙にはボールペンが通った筆圧の跡だけが無惨に残った。


徐々にイライラしてきた男は筆圧をとにかく強くしてみた。

それでもまだまだ出ない。


出ないから筆圧だけが強くなる。

まだまだでない。

・・・


ビリっ

紙が逝った。

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