第5話 3度目の進化

 え?弱くね?


 飛んでいった虫をお見送りし、風属性魔法のあまりの弱さに絶句した。


 喋れないんですけどねとまた一人漫談。


 寂しさと切なさと虚しさで心に空いた穴を埋める様に今日も虫を吸収喰らうする。


 また数日後、進化の光が発せられた。


しかし、いつもと違うのは、そこにホログラムで次の進化の選択肢が出ていた事だ。


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※次の進化先を選んでください。


1.『人食い薔薇』[E級]

2.『謎の巨花』 [F級]

3.『死風花』  [E級]


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 何かヤバそうな選択肢が二つもあるんだが。


絶対人食い薔薇なんてなっちゃいけない奴だろ。


 というか、中身は分からんのかい。

特徴が分からずして選択なんて出来んやろがい。


 選択肢に集中する。

すると、魔物名の下に説明が現れた。


『人食い薔薇』

•人種をイバラに絡めて捕食する。その花には弱い人種の心を惑わし、魅了する力を持つ。

見かけたら即討伐対象になっている。幻惑魔法が得意である。


『謎の巨花』

•謎の花の正統進化。

ただデカくなっただけにあらず。

全てのステータスが軒並み上昇しており、虫なんかには負けない力を持つ。


ん?説明雑くね?こいつだけ。


最後に


『死風花』

•不吉の象徴であり、世に災いを齎す存在が現れる兆し。

死を予感させるその花の力は微力ながらも死の力に起因する。

見かけたら即討伐対象となっている。


 はい出たやばい奴。

普通、謎の花からいきなりこれになる?

ならないよね神様。


 こんなもん選択肢一個しかないじゃない。

謎の巨花だよ。それしかないじゃないの。


 光が収まり、以前の3倍はあろうかという巨大な花に進化した。














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