第21話 ぶっちゃけあめよりも……

時は過ぎ待ちに待った週末がやってきた。

それというのも先週末の初デートが終わったときに美優とデートの約束をしていたのだ。

しかも今日は美優が絶対喜ぶであろうプランを練ってある。


「おはよう美優。今日はデートに行かない?」


俺が朝一番の挨拶と共に美優をそう誘うと美優の目が輝き出した。

楽しみにしていてくれたようで何よりだ。


「行く……!ちゃんと今日のために仕事終わらせてきたから」


「それはよかった。朝ご飯を食べて一息ついたら出発しよう」


「分かった。今日はどこに行くの?」


美優が小さく首をかしげる。

俺の妻は今日も相変わらず可愛い。


「まだ内緒かな。でも美優が絶対に喜んでくれるところ」


「ふふ、なにそれ。楽しみにしておくね」


美優は俺が隠していても特に追求せず楽しそうに笑う。

美優の期待に応えたいと俺も気合が入った。

なんとしても今日はずっと笑顔でいてもらうのだ。


「ああ。期待してくれ」


「うん。それじゃあ朝ご飯にしようか」


「了解」


俺はパンをトースターで焼き、美優は目玉焼きを作り始める。

今日は特に手間をかけず楽に済ませる。

後で美味しいものは食べられるからな。


「「いただきます」」


俺はパンにバターを塗り始める。

美優は自分の目玉焼きに塩コショウを振ったあと俺に醤油を手渡してくれた。

俺の好みを把握してくれているのだ。


「ありがとう。はい、バター」


「ありがとう」


バターと醤油を交換する。

俺は塩コショウより醤油のほうが目玉焼きは美味いと思っているが論争になることはない。

自分の好みを押し付けるよりも美優の好みを尊重したい気持ちが強いのだ。

論争してみるのもそれはそれで楽しそうだが。

とりとめのない話をしながら箸を進め朝食を終える。


「「ごちそうさまでした」」


二人で後片付けをして1時間半後に出発を決める。

俺はそこまで準備に時間はかからないので今日のプランの確認をしながら時間を潰す。

そして1時間15分後───


「おまたせ、準備できたよ」


「ううん、まだ時間になってないし大丈夫だよ」


美優は化粧や着替えなどを終え一階に下りてきた。

ナチュラルメイクが美優の素の美しさを際立てている。

明るいスカートを履いていて美しいと可愛いが共存していてとても素晴らしい。


「今日も可愛いね。その服装、とても似合ってるよ」


「あ、ありがとう……それじゃあ行こ?」


「ああ、今日は車で移動するよ」


「分かった。運転よろしくね」


二人で車に乗り込む。

今までは車に乗ることはそんなに多くなかったが美優と再会してからは乗る機会もだいぶ増えた。


「今日はドライブデート?」


「まあ本命はそこじゃないけどドライブデートでもあるな。最初の目的地は一時間ちょいくらいかかるから」


「ふふ、楽しみだなぁ……」


早速車を発進させる。

車の運転なんて昔はそんなに楽しくなかったけど美優が隣に座ってるだけで何故か楽しい。

それと同時に美優を危険な目に合わせるわけにはいかない緊張感が生まれるけどな。


「あ、この曲……私たちが高校生のときに流行った曲じゃない?」


「気付いた?実は今日のためにCDを探していれておいたんだ」


CDなんて久しぶりに使った気がする。

今の時代、音楽はスマホでなんでも聞けちゃうからな。

たまにはこういうのもいいもんだ。


「懐かしいな……私たちの青春って感じがする」


「あはは!そうかもな。高校の学園祭でも軽音部がこの曲やってたよな」


「そうそう。なんか色々思い出してきたよ」


それから俺達は高校時代の青春話に花を咲かせた。

高校時代の俺達は残念ながら恋人じゃなかったけど幼馴染として大切な思い出はいくらでもある。

話せば話すほど昔を思い出すもので不意に同級生たちに会いたくなる。

みんな元気なのかなぁ……


気づけばあっという間に30分くらい経っていた。

これなら到着するまでに退屈することは絶対にないだろう。


「あ、そうだ。あめ持ってきたんだけど舐める?」


「え、いいの?」


「うん。それじゃあ口開けて」


せっかくなので貰うことにした。

口を開けると助手席から美優が食べさせてくれる。

オレンジの爽やかな甘味が口に広がった。


「このあめおいしいね」


「でしょ?私のお気に入りのやつで絵を描いてるときたまに舐めてるの」


そのあめには色んな種類があるらしく食べ比べさせてくれた。

その度に美優があめを食べさせてくれる。

ぶっちゃけて言ってしまうとあめが美味しいというよりも美優に食べさせてもらうのが目的だった。

もちろんあめは美味しかったけどな。


そうやって美優に食べさせてもらいながら車で進んでいると目的地に到着した。

駐車して車を降りる。


「拓哉、ここって……」


「ああ、ジュエリーショップだよ」


「それってもしかして……!」


「美優のお察しの通りだよ」


そう、俺が今日ジュエリーショップに美優を連れてきたのはを作るためだった。



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@kosumosu10 様


おすすめレビューありがとうございました!


目標の600が少しずつ見えてきました!

☆が☆いです。

どうしても☆いのでぜひよろしくお願いします!


あとなろうの方でも同名義で同作品の連載を開始しました!

なろうにアカウント持ってる方ブクマくださると嬉しいです!

よかったらなろうの仕様もぜひ教えてください。

何がどうなってるのか全然わからん……

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