葉牡丹

藤泉都理

第1話 契り




 酒を酌み交わし合って、義兄弟の契りを交わした。

 これで、黒龍である彼と白龍である私は、より強い絆で結ばれる事になった。

 嬉しかった。喜んだ。

 彼も私も同じ気持ちだった。

 はずだった。











「どうして」


 私は彼の、黒龍の変わり果てた姿を見て、胸が締め付けられた。


 私は、どうやら、彼の事をわかっていなかった、のだ。

 まったく。











(2024.2.16)



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