第6話
「どうしたんですの?早くしないと、授業始まりますわよ?」
明日香は、瑠花と隣のクラスだ。
明日香は、トイレから教室に戻る所だったのだが…。
「南野先生…それは……」
「チョコレートだって。 先生ってモテモテだね」
「…………」
そんな筈は………。
「…先生、甘いモノはお嫌いなのでしょう?それなのに 何故そんなに沢山のチョコレートをお持ちなのですか?」
「…えっ?」
「………」
「それとも…私のチョコレートだけ 要らなかったとでも おっしゃるのですか?」
「…………!!!!」
……忘れる訳が無い。
明日香が昨年『他の人にあげて』と屈辱的な事を言われたのは…。
この南野先生だったのだから。
「…見られたならば、仕方無いな」
「………」「………?」
「チョコ泥棒とは、僕の事さ…」
「……えっ?」
瑠花は驚いたが……明日香は「やはりそうでしたか…」と表情を暗くした。
ニュースでチョコレート泥棒の情報を聞いた時 明日香は少し南野の事を疑ったのだ。
「(まさか自白するとは思いませんでしたが…。) そのチョコを、こちらへ返してくれませんか?」
「……フッ。」
………バキバキッ!!!!!
南野は、箱を潰した!!
「…な…何て事を!!!!」
「…ハハハッ!! …恋愛する暇があるなら勉強でもしていなさい!!」
しかし………。
「ん…?この香りは……」
潰した箱から香ってきたのは、甘い香りではなく……。
「………ふふっ」
明日香は思わず笑った。
そう、あのスパイシーな。
「…カレーのルゥか!?!?」
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