テレビの調子がだんだんと悪くなってテレビの中の人とお話をすることができない日がたびたびあるようになった。

 その頻度はだんだんと多くなっていった。

 テレビが映っても、その砂嵐の中にテレビの中の人がいない日もあった。

 まめまきとひまわりはもう二度とテレビの中の人とお話ができなくなってしまうのではないかと思ってとても心配した気持ちになる。

「……昨日はごめんなさい。どうしても、体の調子が悪くてテレビの前に行くことができなかったの」とテレビの中の人は元気のない声で言った。

「別に無理しなくていいよ。ゆっくり休んで。ね、まめまき」テレビの間近に顔を近づけているひまわりが言う。

「うん。無理しないで」まめまきは言う。

「……二人ともいつも本当にどうもありがとう。本当に嬉しい。二人に会えたから私は本当に幸せだよ」とテレビの中の人は言った。

(そんなテレビの中の人の声を聞いて、なぜかまめまきの胸はとても痛くなった)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る