ep12  GW中にざまぁってやつをやってやりましたよ。家族に。


 GW中。

 私は小説作業をとてもやりたかった。


 しかし、このGWというものは、家族からのアクセスがUPする時期でもあります。

 奴らはなぜか私がPCキーを打ち始めたとたん、やってくるのです。

 時間を置いて、何度もです。


 最初の数回は我慢しましたよ。ええ。

 私はね、良識ある大人でありたいですからね。


 会社などでもよくあることです。

 上司がやっかいな案件もってきたり急な会議が入ったり、電話がかかってきたり、作業が中断する、なんてことはね。


 だから余裕……じゃねえわああああああ!!!


 会社だったらまだ、『スキル:外面』が私を支えているがために、冷静を保っていられますが、家庭など、そんなスキルは欄外アウト、スキル入れ替え『スキル:内弁慶』が発揮されるのです。


 イライラボルテージがMAXへと至り、


「く……っ。奴らが暴れている……抑えられないッ!!」


 スキル:内弁慶が厨二病っぽく自動発動した私は――


「ぷち家出すりゅ!!!」


 家族にそう言い放つと、近所のスーパーへと走ったのです。



 私はスーパーに着くと、私はまず肉コーナーを目指した。


 そこには――


  『●●牛 焼肉用 3割引』


 ほう、ちょうど良いものが。


 私はそれをカゴに放り込んだ。


 次に、私は家族の1人が、以前言っていた言葉を思い出した。


「飲むヨーグルトはうまいが……あれ飲むと太る」(※太るのはうちの家族の肉体的仕様であり、この商品が人体肥満へいざなう仕様ってわけではありません)


  ――よろしい、ならばイチゴ飲むヨーグルトだ。


 私は乳飲料コーナーへと向かいガシィ!!、と飲むヨーグルト(イチゴ)を掴み、カゴに放り込んだ。


「ふひひひぃ」(*心の中)


 私はそれらを購入し、急ぎ家に戻った。

 家族の1人がもうすぐ出かけると行っていたからだ。

 ヤツが出掛けてしまってはこれらを購入してきた意味がない。


 私は家に帰ると、家族の前で見せつけるように袋から牛肉を取り出した。


「――お前、まさか1人焼き肉を」


 私は鬼の形相で答えない。

 家族があっけにとられる中、私は牛肉のパッケージを開封し、そこににんにくパウダー(S&B)を振りかけ、塩コショウする。


 ジャー!!!


 私の怒りを、フライパンが代わりに音をたててくれる。


 そう、これだ、これだよ(何が)


 私はちなみに、ウェルダン派です。


 しっかりと肉に火を通し、すこしだけ焦げ目を付けたなら、すべての肉を皿に盛った。


 私はその皿と箸を持ち、奴らが寝っ転がっている部屋の前へと向かい――


「いただきます!!」

 

 焼き肉を奴らの目の前で1人食す!!! 立ったまま!!(お行儀悪い)


「……一枚だけくれてやるよ」


 私やさしい。

 一枚だけ、家族の口に肉を突っ込む。


 どうだ、もっと欲しいだろう?


「お、美味しいね」


 若干、ドン引きしているような家族を尻目にして、残りは当然、すべて私が食した。


 肉を食べ終わると、私は再びキッチンへと舞い戻り、次はガラスのマグカップとイチゴヨーグルトを手にゴロゴロ寝転がっている家族の視界に入るように立つ。


 私はイチゴ牛乳をそそぎ、一気飲みする。

 まるで風呂上がりの牛乳かのように!


「ぷはあああああ!」


 ああ、美味しい。


 どうだ? お前が飲みたくても我慢しているものを目の前で飲み干される気分はぁ!!


「この人自慢してるーーーーーーーー!!」

 

 ああ! それだよ! その悲鳴がききたかった!!

 ざまああああ!!!


 ――私は、その家族の態度に満足した。



***


 しかし。

 それでもGW。家族サービスは結局発生する。


 結局私はGW中、やりたい小説作業はあまりできませんでした。


 GWよ、また来年。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る