第163話 魔纏とな?

 上級ダンジョンには一度攻略した階層の50階層毎に飛べるエレベーターなるモノが設置されています。

 一度でも攻略した者が一人でもいれば利用出来る便利なもの。

 このシステムを利用して低レベルの人が高レベルの人に助けられてパワーレベリングして貰うことがあります。

 モンスターとレベル差があって倒すことが出来たら経験値がたくさん手に入ってそれだけ成長が早くなるからね。

 最も戦い方が蓄積される訳ではないので数で押されると弱い。中級中層でも厳しいといわざるをえない。

 ベテランの人たちは促成栽培とか言ってこういう人を嫌う傾向にある。

 接待レベリングをするのに手を抜くことはないけど仲間にすることはないらしい。

 連携プレーは大事だからね。

 原爆ドームダンジョン攻略のメンバーだけど、ユウイチロー、紅桃、心ちゃんが前衛。自分、魔術士でハーフエンジェルのペンタントちゃんである。

 回復役がペンタントちゃん1人なので大量のポーションが投げ易いように改造したガンベルトのような装備をする。

 チビがスペースに待機しているから緊急用だけどね。

 そして、呪文阻害用のスライム飴を腰に吊る。


「第51階層から気を付けないといけないモンスターとかいる?」


「アークエンジェルやデーモンが複数混じり始める」


 紅桃が説明する。


「上位種か・・・」


 といっても心ちゃんなら同等だろうし紅桃とユウイチローはそれらより上位種なので不覚を取ったりしない思う。


「あと神獣の若い個体」


 蛟、白猫、霊亀、火喰い鳥だったかな?中立でそれぞれ属性攻撃を得意とする個体。

 体長が約3メートルを超えるので名前だけで判断すると危ないモンスターである。猫で3メートル超えってもう猫じゃないよね?

 白虎が上位にいるから仕方ないけど・・・


 因みに蛟が水属性。白猫が風属性。霊亀が土属性。火喰い鳥が火属性の魔法を操ることが有名。

 この四体とその上位種が居ることで六属性に対応しないといけないということで原爆ドームダンジョンは西日本でも有数の難攻不落のダンジョンとしても有名だったりする。


「まぁ六属性と言っても気合いがあればなんとかなる」


 ユウイチローが豪快に笑いながらいう。

 本当か?ユウイチローは脳筋ポイから信用出来ないのだが。


「あなたと紅桃は意識しなくても魔纏が使えるから要らないだけでしょう。ご主人は鎧、マント、小楯に違う属性を纏わして対応した方がいいですよ」


 ペンタントちゃんが苦笑いしながら言ってくる。


「魔纏って何?」


「身体を魔力で包んで魔法とかを防ぐんです。ユウイチローならライトニングぐらい平気で弾くぐらい簡単にやってのけます」


 ペンタントちゃんの言葉に、そうだっけ?と言った顔をするユウイチロー。


「ファイアーアローとか素手で叩き落とす癖に・・・」


 そう。ユウイチローと紅桃は初級魔法なら素手で叩き落とす。そうか、魔纏というスキルのお陰か・・・


「何げに便利そうだね。どうやったら習得出来る?」


「そうだな。お嬢は魔力はあるよな?」


 ユウイチローが尋ねる。まぁ薬師として職を得ているから最初から魔力MPはある。付与師としても必要な力だしね。


「あるよ。まぁ無ければ異世界で取ってこれるし」


 ないならないで異世界で魔術師のスキルを得ればいいだけだ。


「魔力があればそれを体に纏わせるだけだ。魔法を使うときに体を包みたいって思えば・・・そうだな。最初は指を慣れたら拳を腕を上半身を包むことを目標にすればいい」


 ユウイチローがらしいアドバイスをする。


「あと、普通の魔法使いは最初から属性を纏うから魔纏は使えないぞ」


 そうなんだ・・・まぁ関係ないからいいけどね。


「じゃあ魔纏が習得出来るかやってみるね」


 指先に魔力を集める。武器に属性を付与するように。


「普通の魔法使いは最初から属性を纏うから魔纏は使えないって言ったよな?」


 ユウイチローがジト目でこちらを見る。


「おっと!そうだった」


 慌てて属性付与を止める。

 純粋な魔力。純粋な魔力。

 指先が魔力で覆われた気がする。

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