第154話 出雲大社ダンジョンその5
「助かった!」
素早く紅桃は立ち上がる。この辺り強さには紅桃はこだわらない。敵が強いなら仲間の手助けを素直に受ける。
「疾風、チビ。敵にジェットストリームアタックをかけるよ!」
紅桃が何やらとんでもない事を言ったような?
紅桃を先頭に疾風、チビが縦に並ぶ。
原作通りといえば原作通りだ。まぁこのあと直線的に攻撃を仕掛けるのだが・・・
「てい!」
紅桃がショルダータックルを仕掛ける。
「甘い!」
萌えない九尾の狐のオジサンが僅かな動作でこれをかわす。
「わふっ!」
紅桃の後ろにいた疾風が槍で鋭い突きを出す。辛うじてかわす萌えない九尾の狐のオジサン。
が、僅かにかわせなかったのか、顔に紅い筋が走る。
「なんと!」
萌えない九尾の狐のオジサンが驚きの声を上げる。
「ふにゃ!」
とんっ!と疾風の肩を踏み台にチビが萌えない九尾の狐のオジサンの脳天目掛けて剣を振り下ろす。
「こなくそ!」
ギリギリ脳天への一撃は避けたものの肩に剣を受けた萌えない九尾の狐のオジサンは、肩の傷を抑えながら唸る。
紅桃の身体が大きいから疾風とチビの攻撃が早いから成立する攻撃方法だ。
「実戦は初めてだけど、行ける。もう一度行くぞ」
紅桃が構え疾風とチビがその陰に隠れる。本当のジェットストリームアタックとは違うけど、まぁジェットストリームアタックだよね。
「行くぞ!」
紅桃が大振りな右ストレートを放つ。
先ほどの攻撃を想定して、萌えない九尾の狐のオジサンは後ろに大きく下がる。
「そのくらい対応出来るって!」
紅桃は萌えない九尾の狐のオジサンが間合いを取った分一気に間合いを詰める。
ドゴッ
紅桃の右ストレートが萌えない九尾の狐のオジサンの鳩尾にヒットする。
「うわらば!」
悲鳴とも叫び声とも取れる声を上げながら吹っ飛ぶ萌えない九尾の狐のオジサン。
本来なら後ろに力を逃がすのだが、今は後ろに逃げたところで衝撃を受けたので逃がせない。はず。
「わふっ!」
疾風が紅桃の陰から飛び出し萌えない九尾の狐のオジサンの右肩に槍を突き刺す。
「にゃ!」
チビが紅桃の肩を踏み台に剣を振り下ろす。
「ぬん!」
萌えない九尾の狐のオジサンが左腕を翳してチビの一撃を受け止める。
「にゃ!」
剣が萌えない九尾の狐のオジサンの左腕に刺さったまま抜けない。
「筋肉で絡め取った?」
有り得るのか?
「わふっ?」
疾風もまた困惑の声を上げる。槍が抜けないのだ。
「うへぇ!なんと言う化け物っぷり」
自分の言葉と共にチビも疾風も武器を放棄して間合いを取る。
「痛てな、おい」
萌えない九尾の狐のオジサンはまず剣を抜く。
「ふん!」
流れていた血が止まり、傷口が塞がる。
「
自分で回復出来るなら経戦能力も高い。が、武器を絡め取るのに腕を差し出すかね?
「間合いを狭めてやったぜ」
強がりかな?脂汗が見えるのだが・・・
「ほい。予備武器だよ!」
すかさずスペースから疾風とチビの武器を取り出して渡す。
「汚い!」
「いや、普通だろ」
萌えない九尾の狐のオジサンのツッコミに即座に返す。
「そりゃそうだが、これぐらい言わせろや!」
萌えない九尾の狐のオジサンが叫ぶ。
「ちなみに予備はあと二本ある」
スペースから予備の剣と槍を二本づつ取り出す。
「かぁやってられるか!」
萌えない九尾の狐のオジサンはその場に大の字になる。
これは降参と言うことかな?
「えっと・・・降参てことでいいのかい?」
「あぁ!煮るなり焼くなり好きにしろ」
萌えない九尾の狐のオジサンが叫ぶ。
「じゃあこのダンジョンをクリアした証を下さい。で、終わりです。倒すつもりはないです」
降参した以上、ボスだからといって倒す必要はないんだよね。
「ほれ」
萌えない九尾の狐のオジサンがひとつの珠を投げてよこす。
「サンキュー」
受け取った珠をスペースにしまい込む。
「さて行くか」
萌えない九尾の狐のオジサンはパンパンとお尻に付いた埃を払う。
「俺の名前はユウイチローだ。今後ともよろしく!」
萌えない九尾の狐のオジサンことユウイチローがニッカリと嗤う。
えっ?テイムした覚えはないんだけど!ってテイムされたことになってる!!
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