第6話 テイマーになる
チャボ:『いやーワーウルフ撃破おめでとう』
コメント欄からお祝いのコメントが流れて・・・いや、流れ過ぎ。と同接を見たら500人ほどのリスナーがいた。まあイレギュラーの発生はグロ率が高くなるから、発生が拡散されると同接は上がる傾向にあるのよね。
「いやぁ運が良かったですよ」
にへらと笑うと、同接の数がどんどん減っていき、やがて最初の5人にまで落ち着く。ですよねー。
ルナ:『何のオーブがドロップしたんです?』
「お、気になる?」
ルナ:『はい』
タイキック:『何だろ?初級ダンジョンだから大したモノじゃないだろうけど』
タイキックさんが興味深々で聞いてくる。
「ええっと・・・マジですか」
スキルオーブを手に取って念じて見て思わず唸る。
スキルオーブはモンスターテイム。確かオーブではそれなりに希少なヤツで、取り引き価格はオークションで二桁万円の中ぐらいからの品です。まぁ売らないけど・・・
「これは売らないで即使用する案件ですね!」
即座に使用です。
「スキルはモンスターテイムでした!」
『おおっ』
コメント欄がざわつく。そこそこお高いアイテムだからね。
チャボ:『すぐにジョブ変するの?』
「そうですね。テイマーで相棒を得れば少しは楽に探索出来るかな?」
特に犬系はお手軽に入手が出来て戦闘力もそこそこ高く、レベルが上がって上位にクラスチェンジして上級ダンジョンでもそれなりに使えるんだよね。できればすぐに初級スキルの調教は欲しい。早速ボス部屋にある職業部屋に移動する。
メインをテイマーにサブを中級盗賊に設定して2階に降りる。
出会うスライムと野犬を攻撃しながらテイムスキルが生えるのを待つ。
すぐに調教のスキルは生えたので、弱らせつつテイムを掛け、テイム出来ない場合はそのまま狩って行く。中級職になったから野犬も余裕だ。
しかしテイム率低いな。全然成功しない・・・
結局テイムスキルがレベル3に上がったところで時計がアラームで19時になった事を告げる。時間切れ。帰ろうか・・・
『スライムが仲間になりたそうに見ている。』
「へ?」
帰り道、後少しでダンジョンから出ようとしたところでしばいてテイムを行使したスライムから憧れ?みたいな感情が流れ込んでくる。
「マジですか!もちろんイエスです」
イエスと答えた瞬間、ボフンと光っていわゆる可愛い方のティアドロップ型のスライム・・・通称
種族スライム
名前なし
性格中立
職業なし
性別なし
レベル1
体力1/4
MPO/1
力1
頭脳1
知恵2
耐久1
敏捷1
器用1
スキルなし
なんでもないただのスライムだ。まあ、一定時間が経過する事にスライムの粘液をドロップするので薬師である自分にはほんの少しだけありがたい相棒でもある。
取りあえず抱えてダンジョンを出てキルドの建物に入る。
「お疲れ様です」
ダンジョン退出の手続き『退ダン申告』をして査定カウンターにスライムの魔石、野犬の魔石、野犬の牙、毒消しポーション、回復ポーション、ナイフを提出して換金を依頼。
換金したお金はギルドカードにも入るのでカードを提示し、ついでにテイムスキルの取得とテイムしたスライムの登録を申請する。
「テイマーおめでとうございます」
職員さんがテイマーになった事を祝ってくれる。
「ありがとうございます」
スライムの名前は水饅頭に決定。ただ、現状でスライムは外での野放しが出来ないので売店で飼育ケースを買って放り込んでおく。支払いはギルドカードで。
可愛い可愛い可愛いとスライムに接していると、モンスターとの信頼度を上げる調教スキルのレベルが上がる。これはありがたい。
停めてあった自転車に乗って帰宅するのであった。
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