前のエピソード――第5話　分かれ道と約束

秘密の絆

エリオットは、アレンとの出会いから数週間が経過したある朝、目を覚ました。彼の心は、前夜夢に見た森の深く、アレンと共に過ごした時間の記憶で満たされていた。夢の中で彼らは再び森を歩き、未知の花や古代の木々について語り合っていた。目覚めてもその感覚は続き、エリオットは自分の中に新しく、かつてない強い感情が芽生えていることを感じた。

この日は、エリオットにとって特別な日だった。アレンと再会する約束の日である。彼は、いつも以上に丁寧に身支度を整え、アレンに会うために家を出た。歩みを進めるにつれて、彼の心は期待で高鳴り、同時に少しの不安も感じていた。アレンへのこの新しい感情が何を意味するのか、エリオット自身もまだ理解できていなかったからだ。

森の入り口に着くと、エリオットは深呼吸をした。ここを越えると、別の世界が広がっている。彼は森に足を踏み入れ、アレンとの待ち合わせ場所へと向かった。森はいつ訪れても神秘的で、その美しさには心が洗われるような感覚があった。

待ち合わせ場所に近づくと、エリオットは遠くにアレンの姿を見つけた。エルフは静かに立ち、周囲の自然と調和しているかのように見えた。アレンがエリオットに気づくと、彼の顔に温かい笑みが浮かんだ。その瞬間、エリオットの心の中の不安は消え、ただ再会を喜ぶ気持ちだけが残った。

「エリオット、戻ってきてくれてありがとう」とアレンが言った。彼の声はいつも通り穏やかで、エリオットにとってはもはや心地良い音楽のようだった。

二人は再び森を歩き始めた。会話の中で、エリオットはアレンへの新しい感情について探りを入れようとしたが、言葉にするのが難しいと感じていた。しかし、彼はこの感情を隠すことなく、正直にアレンに伝えるべきだと決心していた。その勇気が、二人の関係を新たな段階へと進める鍵だと、エリオットは直感していた。