第7曲 怪物(2021)

好きな曲を挙げてみる。

「YOASOBI(*1) - 怪物」(2021)である。


今回表題を「怪物」としたが、英語バージョンの「Monster」(2021)(*2)の方を僕は、より聴いているかも知れない。

僕は元々、音楽を聴くというとき、小室哲哉さんプロデュースの曲ばかりを聴いていたので、日本の他のアーティスト(*3)には気を向けていなかったし、現在も《売れている》色々なグループには疎いのである。

しかし、その例外がYOASOBIであって、彼らの曲ならば海外のEDM作品と同じような頻度で聴いている作品がある。

やっぱり、巧みだと思う。

YOASOBIに関して、ツイッター(*4)で話題になったことと言えば、《音圧》(*5)という言葉である。或る評論家(*6)が、《音圧》も無くて家の大きい(?)スピーカーで聴くような音楽ではない、とツイート(*7)したことがきっかけであった。

これは、この評論家に《音圧》という言葉への理解が無かったのであって、実際にはYOASOBIの作品に《音圧》はある。評論家は、自分にとっては迫力が感じられる音楽ではない、くらいの意識で使ったのかも知れない。

僕にとって、もっと興味深かったのは、このツイートに反応して、YOASOBIについて書く人たちがいたことだ。YOASOBIについて、ピアノが満足に弾けないだろう、楽譜が読めないだろう、パソコンで作っている、といった類のことをツイートする人たちがいたのだ。

僕は、日本には自分にも音楽の技術的な側面について何か一言、コメント(評論)できるだけの知識・技術があると自信をもっている人が多くいるのだなあ、と思った。おそらく日本には僕が思っている以上に、幼少期にピアノ演奏やバイオリン演奏を《お稽古》していた人が数多くいるのだろう。

しかし、そういうツイートをした人たちが音楽作品を制作できるかは疑問であって、このような変なプライドの表出に繋がってしまっているだけなのならば、つまらないなあと正直思う。


*1 よあそび。Ayaseとikuraによるユニット。

*2 日本語のオリジナル・バージョンのリリース後、数ヶ月遅れてリリースされた。

*3 藝術家と訳すのは、おそらく違うのだと思う。美術をやっている人という意味ではもうないんだよね、たぶん。

*4 Twitter。西暦2024年2月現在、名称はXになっている。

*5 おんあつ。音量(おんりょう)と音圧は別の概念である。スピーカー機器の音量設定が同じでも、音圧が高いと実際の音量が大きくなる。音圧が余りに高いと、圧し潰される(リミットに達する)部分が多くなるので、全体が平板な感じに思えてしまうことも。

*6 ひょうろんか。評論なんかいらないという人がいるが、そういう風に思うのは作品となっているような文藝評論や批評文を読んだことがないからだと思う。

*7 つぶやき。ツイッター上でのコメント。

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