第173話 勉強熱心
食事を終えた俺たち。だが美咲はまだ戻ってきていない。
「美咲さん遅いね」
「だな」
だいぶ難航しているようだな。薫さんととなると少し心配になってくるな。
「ケーキは美咲さん来てからでいい?」
「いいよ」
「じゃぁ私は勉強しようかな」
今の琴音はだいぶ入りこめているな冬休み前は勉強からずっと逃げていた奴なのに今となっては率先して勉強を始める。
「お前ほんとすげーよ」
「何が?勉強のこと?走れないからこれしかできることないだけ。本当だったらやりたくない。高校行くために仕方なくしてるだけ」
「それでも前ならやらなかっただろ」
一番の成長は嫌いなことでもやろうとしていることだ。
「お兄ちゃんって得意科目とかある?」
「あるが教えることは無理だぞ」
できるだけで1人に教えるほど理解はしていない。
「ならいいか。一人でやろ」
問題集を開いて勉強を始めた。こうなるとまた俺は1人とおなじになるんだよな。きっと今日はそこまで進めれなかったから今もやっておく程度なのだろう。
食器をかたずけるなど家事をこなしつつ琴音を見守っていた。その光景は感心できることばかりだ。問題集を悩みながらもしっかりといている。わからない部分はメモを書いている。こうすれば美咲がいなくても後で質問ができる。何より全然うるさくない。こいつが静かにできるとは…。
「ごめんなさい遅くなりました」
ようやく美咲が帰ってきた。
「勉強中ですか」
戻ってすぐ琴音のことに気づいた。琴音はまだ美咲が帰ってきたことに気づいてないようだ。
「お疲れ」
「あ、倫太郎君。もうご飯は済ませたようですね」
「先に食べて悪いな」
「仕方ありません。私が悪いので」
とりあえず記憶はしっかり残っているようだ。ちゃんと戻ってきたことからも琴音から引き離そうともしてなさそうだ。とりあえず安心だ。
「倫太郎君。27日って暇ですか?」
その質問は嫌な予感がする。
「悪いその日は予定がある」
「そうですか。暇ですか」
この反応。もう確実だな。
「薫さんがらみか?」
「察しがよくて。よくわかりませんがあなたとお出かけしたいそうです」
俺と薫さんについては美咲は何も知らない。記憶が消えた時点で俺と薫さんの関係のことは再び知らなくなっている。だから今の美咲にとってはなぜ俺と薫さんが二人になろうとしているのか疑問なのである。
「仕方ない。了解したと返事しといてくれ」
「そうですか。わかりました」
「ほら琴音。美咲がきたからいったんやめろ」
こんな会話をする中もまったく顔をこっちに向けず黙々と進めていた。琴音。さすがに一度とめることにした。
「あ、美咲さんおかりなさい」
「ただいまです。よく頑張ってますね」
「今準備しますね」
琴音は立ち上がり台所でチキンを温めサラダを用意した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます